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第二話

キーンコーンカーンコーン

ようやく今日最後の授業が終わった。

この後は短いホームルームと待ちに待った掃除である。

「えーそれではホームルームはじめます」

俺たちのクラスの担任はこの人藤濠彩(とうごう あや)先生だ。す

年齢非公開だが大体30代後半じゃね?って噂が広まっている。

「ということでテスト勉強はしとけよー」

テストとかどうでもいいから早く終わりやがれ。

「あっ、ちなみに今日は掃除ないからよろしく。じゃ終わりまーす」

よっしゃあ、やっと終わった。とっとと掃除に取り掛かろう。

ん?俺は大桑さんが帰って行くのを見た。

掃除サボるつもりなのか?

ちょうど話せる機会だから掃除だよって教えてあげよう。

「帰るぞ」

ふいに河嵜大智(かわさき たいち)が訳のわからないことを言ってきた。

「何言ってんだお前?」

「お前こそ何言ってんだ?今日掃除ないって言ってたろ?」

「嘘だろ?そんなバカな…」

「お前がバカなんだよ」

俺の計画が全て狂った瞬間だった。

「お前は青春どうこうじゃなくて次の中間テストの勉強してた方がいいんじゃねぇのか?」

「畜生…じゃあ俺はいつ大桑さんに話しかければいいんだよ」

「知らねぇよ。帰るぞ」

話しかける機会をなくした俺は次の作戦を練ろうとしたがその前に中間テストを乗り切るために勉強に集中することにした。2年になって初のテストだ。

実を言うと1年から2年に上がるための追試を受けてなんとか昇給できたのだ。

体力には自信があるのだが頭の方はどうも出来が悪い。

ということで今日は大智の家で勉強をすることになっている。

「あ、ちなみに今日は杉川も呼んでるぞ」

「そうなのか、まあなんでもいいけど」

杉川というのは俺たちのもう一人の幼なじみの杉川梨々(すぎかわ りりか)のことだ。

「お前らこれから勉強会するんだってな」

「うおっ、びっくりさせんなよ」

こいつは浅羽要(あさば かなめ)

学力は俺とほぼ同じくらいのバカである。

「畜生…大桑さんかなって希望を持った俺が馬鹿だったわ」

「確かにそれはお前がバカだ」

「大智はホント毒舌だよな」

「ん?なんだ?大桑のこと好きなのか?」

浅羽がこんな質問をしてきた。

「俺の高校生活の最終目標は大桑さんの彼氏になることだよ」

「勉強会に俺呼んだら呼んでやるよ?」

「誰を?」

「誰って大桑だよ」

「え?嘘だろ?マジで?」

そう言えば浅羽は大桑さんと仲がいいらしかった。

「いやいやちょっと待てよ浅羽」

大智が入ってきた

「俺の家でやるんだよ。つまり俺の家に大桑って人を呼ぶのか?」

「それしかないだろ。それともあれか河嵜?お前も大桑のこと好きなのか?」

「んなわけねぇだろ」

ほんとに興味がなさそうに言った。

大智は本当に興味がないらしい。

「そうじゃなくて話したこともない奴の家によぶのはかわいそうだろ?」

「大丈夫だよ。あいつそういうの気にしねぇねし」

「いや、俺も嫌なんだけど」

「あ、もしもし?今日暇?え、勉強?ならちょうどいいや。今日これから勉強会すんだけど来るか?」

「おい」

「場所?んーそうだな。じゃあ今からそっち迎えに行くわ。OK?なら決まりな」

「何してくれてんだよ」

「ほんと何してくれてんだ?浅羽!おまえに一生感謝するよ!恩に着る!」

「じゃあその恩を返すってことで今から迎に行ってくれ」

「はい?」

「だから大桑のとこに迎えに行くんだよ」

「俺一人でか?」

「めんどくせぇよ。俺は」

「いや、家知らないし、話したことないし」

「なら、あいつの家今から口答で言うからメモれ」

そうして俺は大桑さんの家に向かうことになった。

俺たちの高校は基本的には下宿である。

親に頼らず生きてくための訓練だとか何とか。

弟または妹は連れ込んでいいことになってるが。

ちなみに俺の家には妹もいる。

「ん?どうした河嵜?不機嫌だな」

「お前大桑を呼んで廉を味方にして俺の家に来る口実作るとか帰りたくないだけだろ?」

「いやー、家にはめんどくさい妹がいるもんでねー」

浅羽の家にも妹がいるらしいがまるでオカンのようにうるさいらしい。

なんやかんやで大桑さんの家に着いたが…

「インターホンでなんて言えばいいんだ?」

わからん。

とにかく押してみようか。

ピンポーンという音が鳴る。

「はい」

大桑さんだ。

「え、えーと結城です」

「え?」

なんで最初に俺の名前名乗ってんだ!って自分でつっこみたくなった。

「あ、えーと浅羽要の友達なんですけど、浅羽から迎えに行ってくれって言われてまして。」

「あ、浅羽くんの友達ですか。わかりました今出るんで待っててもらえますか?」

いまの説明でわかってもらえたらしい。

大桑さんが玄関から出てくるまで俺はものすごくドキドキしていた。

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