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なんでこうなった?  作者: kappe
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序章1

「お前 どこから来た?」

 10才位の子供が話し掛けてくる

「あそこから」

 子供の問い掛けに、応え草原の遥か先に見える小高い丘に立つ建物を指差す

「あんな方から来たの?」

「うん」

「ひとり?」

「一人」

 10才位の子供はその応えを不思議に思った。少年が指差した場所 王城から

 大人が歩いても半日位は掛かるからだ。

「嘘つくなよ!一人でここまでこられるわけ無いじゃん!」

「ほんとだよ」

「じゃあ どうやって来たか?言ってみろよ」

 少年は、なにも言わず背中を向けると身体中が白く光る靄の様なものに包まれ

 それが背中に集まると白い鷹の羽が現れた。

 その羽を大きく広げ、羽ばたかせると空高く飛び去った。

「羽の一族の子って王様の子??」

 羽の一族それは、王城に住む王族である種族の総称である。

 似た種族で翼の一族がいるが翼の一族の羽は普段から背中から生えており光輝て

 いない為一目で違いがわかる。

 これが、牙の一族の王子と羽の一族の王子との初めての出会いであった。


「ご無事でお帰りなによりでございます。ガブリエル様 心配申しておりました。 」

 少年が、王城のバルコニー降り立つとバルコニーに面した部屋の奥より声を掛けられた。

「黙って出ていかれては、困ります。」

 良く知った声が、苦情を告げながら近づいてくる。

「ごめんなさい、リリー」

 ガブリエルと呼ばれた少年は、近付いてくるメイドに軽く頭を下げる。

「外には、色々な者がおります、ガブリエル様に危害を加える者もいるかも知れないのですよ」

「護衛もつけず、お一人で出かけるなど王族としての自覚が足りません」

「勝手に出かけるなど、言語道断です。何かあったらどうなさるおつもりですか!」

 一介のメイドであるリリーが、いくら幼いとは言え王子であるガブリエルを叱る姿を羽の一族をよく知らない者が見たら不敬罪と言うであろう

 羽の一族は、卵の様な姿で産まれてくる。数ヶ月光の玉で過ごした後、人の形となる。

 専属のメイドが、それを見守りその後も育てる。その為専属のメイドは、乳母であり教育係でもある。それ故、羽の一族の者たちは自分の育ての親を本当の母より慕っている場合が多いのである。

 ガブリエルも例外では無く専属のメイドであるリリーに育てられた。それ故リリーには、頭が上がらないのである。

「判ったから。次からはちゃんと言ってからでかけるようにするから」

「ガブリエル様!」

 ガブリエルは、何か言い掛けたリリーにそう言い部屋の奥に入って行く



「王族とは、神の眷属である羽の一族の事であり他の種族には無い力を。。。」

「判ってるって。そう何度も何度も言わなくても」

「いいえ!判っているとは思えません!」

 部屋の椅子に腰掛けたとたんに、追いかけて来たリリーが説教の続きを始めた。

 リリーは、説教を始めると長い上にしつこい。

 若いくせに年寄りみたいだ。

 美人が多い翼の一族でも評判の美人と言われているのに、相手がいないのも頷ける。

 そんなことを考えながら何時もの様に、説教を聞いている振りをしていると

「ガブ、また叱られておるのか?」

「母上」

「王妃様」

 リリーが、部屋に入ってきた我が母ミカエルに臣下の礼をとりながら

「王妃様、王妃様からも言って下さい。私の言葉よりガブリエル様には応えるはずですから」

「ガブよ、今日は何を叱られておるのじゃ」

「母上、今日は外の世界を見に行ったのです」

「そうか、またなにも言わずに行ったのであろう?」

「はい。母上」

「リリーに心配をかけるでない」

「はい、申し訳ありません母上」

「相も変わらず返事は良いのう」

 母上は笑いながら

「リリーもう勘弁してやれ、こやつにこれ以上言っても応えはせんわ」

「王妃様は、ガブリエル様に甘過ぎます。しかし王妃様がそうおっしゃるのなら」

「ガブよ、私まで怒られてしまうではないか。いい加減学習せいよ」

 そう言うと母上は、部屋からでて行こうと扉に向いで不意に此方を向いて

「おう、忘れるところであった。父上が、お戻りじゃ、ガブも支度をせい」

「父上が、お戻りですか!今どちらの方に?」

「間もなく大広間にお着きになるであろう」

 母上にそう聞くと急いで大広間に向かった。

「そう急がずとも良い」

 母上、何をおっしゃいますか、半年ぶりに父上に会えるのですよ!

 一番に出迎えたいじゃないですか!絶対に私と母上にお土産沢山持って来てくれてますよ!

 きっと何時もの様に、私を抱き抱えそのまま母上にただいまのキスしますよ!

 そう何時もの様に。。




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