プロローグ
何でもありの身勝手小説です。
誤字、脱字ご容赦下さい。
「今日もいい天気だ」
15階建のマンションの窓から入る外の景色を望み男が呟く
ある自動車会社に30年近く勤める初老の男
年齢から見れば役職がついても可笑しくはないのだが、この男は平社員であった。
けしてこの男が仕事ができない訳では無いのだが、会社は男を評価しない。
幾つか理由はあるはあるのだが、一言で言えばついてないの一言で終わらせられる。
「そろそろ行くか」
身仕度をを終え一言呟いてから男は出勤の為駐車場に向かう
愛車のドアを開け杖と小さなバックを助手席に置くと運転席に周り乗り込みシートに
滑りこむ、毎日の儀式のようにキーを回してからタバコを胸のポケットから取り出し火を着ける
タバコをくわえたままドライブにシフトし駐車場から車を会社に向ける何時ものように
そう何時ものように
男は重い瞼を開けると白い天井が見えた。
「ここは?」
掠れた声が、酸素吸入の為に付けられたマスクの中から聞こえた。
「気が付いた、大丈夫、大丈夫なの、先生、先生」
男より少し若い可愛い顔をした女性が男の横で泣きながら騒いでいる。
男は見覚えのない女性が、顔を近ずけてくるのを感じながら重い瞼を再び閉じる
女性が、何か叫んでいるのを遠くで聞きながら意識が消えた。
男が再び目を開けた時見えたのは、また白い天井でだった
そこは男が見たときもない部屋であった。
「ここは。。」
言葉にならない声が聞こえた。
「?????」
「なんだ~」
やはり言葉にならない声が聞こえる。
パニック状態になり声をあげ手足をばたつかせるが自由に身体が動かない。
「起きたのね」
遠くからやさしそうな声が聞こえた。
声が聞こえた方に目を向けると微笑みを浮かべた若い女性の姿が見える
ここはいったいどこだろうか?
男は自分に何が起こったのか思い出そうとするが、何も思い出せない。
「可愛い男の子にございます。王妃様」
「おお、王様に様似ておる。可愛いのう、本に可愛いのう」
「王妃様、御名前はどの様に」
「王様が戻り次第名付けとお披露目を致す故その様に」
王妃は、我が子を抱き上げほほずりしながら横のメイドにそう言った。