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魔王と勇者は、隣の部屋で配信中。  作者: 瀬那
第2章 赤点危機と、深夜の秘密特訓

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9/26

閑話 あるいは、インターネットの海に漂う『てぇてぇ』の残骸

某巨大匿名掲示板の反応


スレタイ:【悲報】新人Vtuber夜魔乃ベル、数学界に喧嘩を売る【魔界式】


1 名無しのリスナー :

昨日の勉強配信見た?

マイナス×マイナス=マイナス25(さらに深い闇になる)は流石に草生えたわwww


2 名無しのリスナー :

>>1

見た見たw

途中までWiki読み上げてるレベルで完璧だったのに、最後だけIQ2に戻ったの好き


3 名無しのリスナー :

あれ絶対、裏で誰かに答え教えてもらってただろ

ラグがあったし


4 名無しのリスナー :

>>3

天聖セラちゃんが裏で通話繋いでたっぽいな

計算ミスった瞬間にDiscordの通知音鳴ってたし


5 名無しのリスナー :

結論:ベルはポンコツ、セラはママ


6 名無しのリスナー :

それより最後だよ最後!!

配信終了間際、マイク切り忘れてたのか知らんが、何か食べる音しなかったか?


7 名無しのリスナー :

聞こえた

「サクッ」って音

あれポッキーじゃね?


8 名無しのリスナー :

その前にセラちゃんの声で「あーん」って聞こえた幻聴はおれだけ?


9 名無しのリスナー :

>>8

俺も聞こえた。病院行くか迷ってたけど安心したわ

つまり……

配信外で、セラがベルにポッキーをあーんしていた……ってコト!?


10 名無しのリスナー :

>>9

てぇてぇ……(昇天)

オフコラボ(物理)確定じゃん


11 名無しのリスナー :

壁が薄い事故物件に住んでる説とかあったけど、もう同棲でいいよ

末永く爆発しろ


SNS(X / Twitter)のトレンド


トレンド入り: #魔界数学


@Vtuber切り抜き職人

【切り抜き】天才魔王ベル様、マイナスとマイナスの計算で「闇が深まる」という謎理論を展開し、数学の歴史を塗り替えるwww(なお直後にセラちゃんに怒られた模様)

#夜魔乃ベル #天聖セラ #魔界数学


@ファンA

昨日の配信、ベル様の「くっ、うまいな……」っていう最後のデレ声が最高だった。あれ絶対餌付けされてるやん。チョロい魔王さま可愛い。


@ファンB

ファンアート描きました!

一生懸命計算するセラちゃんと、ドヤ顔で間違えるベル様。

あと妄想100%のポッキーあーん図。

#ベルアート #セラ美術館


翌朝、職員室にて


 月曜日の朝。

 担任の田中先生(45歳・独身)は、赤ペンを片手に溜息をついていた。

 手元にあるのは、問題児・黒井ヤミの数学の小テストだ。


「はぁ……。黒井のやつ、また白紙か……ん?」


 田中先生の手が止まる。

 いつもなら名前以外白紙の解答用紙に、今日はびっしりと数字が書き込まれていたのだ。


 問1、正解。

 問2、正解。

 問3、正解。


「……どうしたんだ? 黒井のやつ、急に覚醒したのか?」


 奇跡の満点かと思われた。

 だが、最後の応用問題。

 計算式は合っているのに、答えの欄にだけ、謎の注釈が書き込まれていた。


『答え:25

(※ただし魔界式では-25も可とする。闇の深淵理論により)』


「…………」


 田中先生は無言で、その部分に大きくバツ印をつけた。

 そして余白に赤ペンでこう書き添えた。


『ここは日本です。あと、字が綺麗になりましたね(白崎さんの指導ですか?)』


教室の片隅で


「……おい、白崎」

「なによ」


 休み時間。

 返却された小テストを見ながら、黒井ヤミは隣の席の優等生に噛み付いた。


「なんで先生にバレてるんだ! 『白崎さんの指導ですか?』って書かれてるぞ!」

「あら。先生、鋭いわね」


 白崎ヒカリは、自分の満点のテスト用紙を涼しい顔でカバンにしまいながら、クスッと笑った。


「字は体を表すって言うでしょ? あんたの字、ちょっとだけマシになってたから」

「……ふん。余計なお世話だ」


 黒井はバツ印だらけの答案用紙をくしゃりと丸めようとして――やめた。

 一度開いて、丁寧に折りたたむと、教科書の間に挟み込む。


「……まあ、赤点は回避できたからな。一応、礼は言っておく」

「どういたしまして。……あ、ベルちゃん。今日のお昼、購買のパンだけど」

「焼きそばパンだろ? 分かってる」

「ううん。今日は新作の『激辛ハバネロパン』が出たらしいの。罰ゲーム企画用に買ってきて」

「はあ!? なんで私が!」

「昨日の計算ミスの罰よ。魔界の民なら辛いの平気でしょ?」


 ニヤリと笑う勇者と、顔を引きつらせる魔王。

 その光景を見ていたクラスメイトたちは、やはりこう思うのだった。


「(あいつら、喧嘩してるようで……実は仲いいよな?)」


 魔王と勇者の「てぇてぇ」日常は、まだ始まったばかりである。

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