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魔王と勇者は、隣の部屋で配信中。  作者: 瀬那
第4章 伝説の先輩と、地獄の答え合わせ

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第18話

「……えー、というわけで。改めまして、1期生の神楽メテオです。またの名を、男装喫茶のプリンス・カオルだよぉ……」


 正体バレから数分後。

 配信の空気はカオスを極めていた。

 メテオ先輩は開き直って「カオルボイス(低音イケボ)」と「メテオボイス(ふわふわ女子)」を交互に使い分けているが、完全に空回りしている。


『カオル君推せる』

『Sなの? Mなの? どっち?』

『情緒不安定すぎて草』

『先輩、キャラ設定のメモリあふれてますよ』


「うるさーい! 私は多面性のあるアーティストなんだよ! ……コホン。どうだいプリンセスたち、僕の秘密を知ってしまって興奮したかい?」

「いや、混乱しているだけです」


 私が即答すると、白崎も冷静に追い打ちをかける。


「先輩。リスナーさんたちが『嘘をついていた罰ゲーム』を要求してますよ」

「えっ、罰ゲーム? ……やだなぁ、どんなことされちゃうのかなぁ?(ワクワク)」


 隠しきれない期待の声。この人、本当に根っからのドMだ。

 コメント欄が高速で流れ、一つの提案が採用された。


『指示厨リスナー: 残りの試合、全部「カオルくん」のキャラを保ったままチャンピオン取ってください。一度でも素(M)に戻ったら即終了&罰として語尾に「にゃん」をつけて謝罪』


 鬼畜なルールだ。

 激しい銃撃戦の中で、優雅な王子様キャラを維持しろというのか。


「ふっ……面白い。望むところだよ。僕の完璧なエスコートを見せてあげよう」

「(この人、さっきチェキ5回ミスったの忘れてるのか……?)」


 不安しかないが、試合開始のゴングは鳴った。

 私たちは最終決戦の地へと降り立つ。


「行くよ、マイ・プリンセスたち。僕の後ろについておいで」

「あ、先輩。敵いました。正面です」

「なにっ!? ……くっ、僕が相手だ! 貴様らごときに指一本触れさせな――あっ、痛い! 撃たないで!」


 開始五秒。

 敵のスナイパーに撃ち抜かれ、先輩のシールドが割れた。


「ひゃうっ! い、痛いよぉ……! あーん、もっと撃ってぇ……!」

「先輩! キャラ! キャラ戻ってます!」


 私が叫ぶと、先輩はハッと我に返った。


「おっと、失敬。……ふ、ふん! かすり傷だ! この程度の痛み、愛のムチに比べれば……ああっ! また撃たれた! んほぉっ♡」

『アウトォォォォ!』

『即落ち2コマ』

『早すぎるw』

『カオル君どこいった』


 ダメだこりゃ。

 被弾するたびに快感の声(M)が漏れ、慌ててイケボ(S)で誤魔化そうとするが、もはや情緒不安定な不審者にしか見えない。


「もう! 先輩は隠れてて回復してください! 私たちが殲滅しますから!」

「任せろ! 私の新PCが火を噴くぜ!」


 結局、私と白崎が前線で身体を張り、先輩はお荷物(姫)状態で守られることになった。

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