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魔王と勇者は、隣の部屋で配信中。  作者: 瀬那
第4章 伝説の先輩と、地獄の答え合わせ

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第16話

その通達ディスコードが届いたのは、私が最強のPCを手に入れて調子に乗っていた、翌日のことだった。


『お疲れ様です。マネージャーです。

 急な話ですが、1期生の神楽かぐらメテオさんが、3期生のお二人とFPSコラボをしたいそうです。

 日時は明日。拒否権はありません(メテオさんの強い希望です)』


 そのメッセージを見た瞬間、私はスマホを取り落とし、隣の壁に向かって叫んでいた。


「お、おい白崎ぃぃぃぃ!! 大変だ! 緊急事態だ!!」

「うるさいわね! 壁越しに叫ばないでLINEしてよ!」


 すぐに壁の向こうから怒号が返ってきたが、それどころではない。

 神楽メテオ。

 それは、我が事務所『ライブ・ミトス』の創設メンバーであり、チャンネル登録者数100万人を超える生ける伝説レジェンド

 可愛らしい見た目に反して、予測不能なトークと奇行でリスナーを翻弄する、文字通りの「天災」だ。


「ど、どうする! あの大先輩とコラボだぞ!? 粗相があったら私のツノをへし折られて、きな粉をまぶして出荷されてしまう!」

「あんたの角は飾りでしょ。……でも、確かに緊張するわね。まさか雲の上の存在から指名が来るなんて」


 私たちは戦々恐々としながら、その時を待った。

 まさか、その「雲の上の存在」の正体が、先日アキバで出会ったあのポンコツ店員だとは夢にも思わずに。


          ◇


 そして翌日、二十一時。

 コラボ配信の枠が立ち上がった。


 私たちは事前にDiscordの通話部屋に入り、先輩の到着を待っていた。

 私の心臓は早鐘を打ち、手汗でマウスが滑りそうだ。


「……おい白崎。挨拶の練習はしたか? 『お初にお目にかかります、下っ端の魔王です』でいいか?」

「へりくだりすぎよ。普段どおりにしなさい、普段どおりに。……あ、入ってこられたわよ!」


 ピロン♪ という入室音と共に、伝説のアイコンが点灯した。


「あ、あのっ! お疲れ様です! 3期生の天聖セラです!」

「よ、夜魔乃ベルである! よよよ、よろしくお願いします!」


 私たちが直立不動(座っているが)で挨拶すると、スピーカーから先輩の声が響いた。


『あ、おつメテオ~。神楽メテオだよ~』


 ……ん?

 なんだ、この気の抜けた声は。

 伝説のカリスマと聞いていたが、想像以上にフワフワしているというか、頼りなさげな声だ。


『いやー、来てくれてありがとねぇ。私さぁ、最近ボッチすぎてFPSのパーティ組めなくて泣いてたんだよねぇ。だから二人が来てくれてマジ助かるぅ。踏んでいいよ?』

「……はい?」


 今、変な言葉が聞こえなかったか?


『あ、ごめんごめん。嬉しすぎてMの血が騒いじゃったw 今日はいっぱいキャリー(運搬)してね? 私、撃たれるのは得意だけど撃つのは苦手だからさぁ♡』


 ……どうやらこの先輩、ドMらしい。

 噂には聞いていたが、想像以上だ。


「(おい白崎……。どういうことだ。聞いていたキャラと違うぞ)」

「(しっ! 配信始まるわよ!)」


 困惑の中、伝説の3人コラボFPS配信が幕を開けた。

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