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魔王と勇者は、隣の部屋で配信中。

作者:瀬那
最新エピソード掲載日:2025/12/02
 「ふはははは! 刮目せよ人間ども! 我こそは深淵より来たりし支配者、夜魔乃ベルである!!」

 安っぽいアパートの一室。
 六畳一間の薄暗い部屋で、私はパソコンのモニターに向かって高笑いを上げていた。
 画面の中では、銀髪に紅い瞳、ゴシックドレスを身にまとった美少女アバター――『夜魔乃ベル』が、私の動きに合わせて優雅に腕を組んでいる。

 そう、今日が私のVtuberデビュー配信だ。
 魔力を失い、この日本という異世界に飛ばされて早三ヶ月。生活費と信仰心(魔力)を稼ぐため、私は配信者として受肉したのだ。

 コメント欄がものすごい勢いで流れていく。

『うおおおおおお!』
『魔王さま万歳!』
『初配信おめでとう!』
『声かわいい』
『BGMでかい』
『音割れポッターで草』

 ふふん、チョロいな人間ども。この調子なら世界征服も時間の問題だ。
 私は事前にリサーチしておいた『人間界の知識(インターネット・ミーム)』を披露することにした。魔界の書庫にあった『アカシックレコード(人間界データベース)』で予習は完璧だ。

 「ふっ、貴様らの歓声、心地よいぞ。……ん? なんだそのコメントは」

 ふと、一つのコメントが目に止まる。

『回線重くて画質ガビガビ、ぬるぽ』

 ぬるぽ。
 その単語を見た瞬間、私の魂に刻まれた知識が脊髄反射を引き起こした。

 「……ッ! ガッ!!」

 しまった、つい野太い声が出てしまった。
 いかんいかん、魔王としての威厳が……。

『ガッ』
『ガッ』
『今ガッて言った?』
『脊髄反射で草』
『ガッ』
『ベル様、もしかして:老人会』
『知識のソースが2chなんよ』

 おや? なぜ笑われているのだ?
 私は咳払いを一つして、すました顔で(アバターが)言い放つ。

 「何を笑うことがある。今の人間界の女子高生(JK)の間では、『ぬるぽ』と言われたらハンマーで殴る勢いで『ガッ』と返すのが、最先端のトレンドなのであろう?」

『ちげーよwww』
『どこの時空のJKだよww』
『平成初期からタイムスリップしてきた?』
『かわいい』
『ポンコツ魔王の予感』

 ……おかしい。アカシックレコードには「インターネットにおける友愛の挨拶」と書いてあったのに。

 こうして、私の華麗なる(?)Vtuber生活は幕を開けたのだった。
第1章 魔王、ネットの海に沈む(物理)
第1話
2025/11/30 20:06
第2話
2025/11/30 20:16
第3話
2025/11/30 20:51
第2章 赤点危機と、深夜の秘密特訓
第4話
2025/11/30 21:19
第5話
2025/11/30 22:30
第6話
2025/11/30 22:53
第7話
2025/12/01 18:00
第8話
2025/12/01 18:10
第3章 魔王と勇者の秋葉原デート(※買い出しです)
第9話
2025/12/01 18:30
第10話
2025/12/01 19:00
第11話
2025/12/01 20:00
第12話
2025/12/01 21:30
第13話
2025/12/01 21:40
第14話
2025/12/02 06:35
第15話
2025/12/02 14:00
第4章 伝説の先輩と、地獄の答え合わせ
第16話
2025/12/02 14:20
第17話
2025/12/02 14:30
第18話
2025/12/02 14:40
第19話
2025/12/02 14:50
第5章 教室のモブと、体育倉庫裏の尋問会
第20話
2025/12/02 15:00
第21話
2025/12/02 15:10
第22話
2025/12/02 15:20
第23話
2025/12/02 15:20
第24話
2025/12/02 15:30
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