運命の相手は結婚詐欺師？

“月の絆”を信じて幾歳――
魔術士リオナは学問に没頭し、婚期を逃していた。研究に夢中になればなるほど、人と心を交わすことが難しくなっていく。
ある夜、運命をからかうように出会った男、カイル。
彼は絆の糸を自在に見せかける違法魔術の使い手で、リオナに近づくも、次第にその聡明さと不器用な優しさに惹かれていく。だが、自らの過去と正体を打ち明けられない。

リオナは初めての恋に浮かれ、月の鏡に映る“絆”を信じ、ついに婚約を決意。王国中で話題となるほどの式が決まる。
しかし――