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カラオケ店

作者: 逆福

大学生の頃の話、長い休みに入るとよく友人の車に乗って旅行に行っていた。大雑把な行き先だけ決めてだらだらと名所をまわるなどしていたがある時のこと。


宿についてもいきあたりばったりな考えでいたせいか予約というものをしたことがなくそれでも大抵の場合はどうにかなっていたが、この日に限ってはどこの宿も取れなかった。車中泊というのも考えたがかなり疲労感がありできれば別のという事で近くにあったカラオケに入る事にした。


聞いた事のない個人営業の店であった、部屋は空いていた為、やっと一息つけると安心して部屋に向かった。時間は22時過ぎぐらいであった為すぐに寝ようかと思っていたが何品か注文をしなければいけない制度となっていた為飲み物と食べ物をいくつか注文した。


注文した品を待っている間じっとしているのも勿体ないと歌い始めると若さの為か眠気も忘れて歌い続けていた。ふと気づくと時間は1時を過ぎており流石に寝ておかなければ次の日の運転に響くとようやく寝ることにした。


しかし車よりマシとはいえソファで寝るのは難しくさっと入眠とはいかなかった。なかなか寝付けずにいるとトイレに行きたくなってしまったので寝ている友人を起こさないように静かに部屋を出た。


通された部屋は店の一番奥にあり、トイレは入り口にあったため、他の部屋の前を通りながら向かうことになったがだいぶ遅い時間だというのに部屋の多くは埋まっているようであった。トイレで用を済まして部屋に戻ろうとして気づいた。


埋まっていた部屋はどこも電気がついていない、そして中から重低音が聞こえると思っていたがそれがお経だという事に。さっと血の気が失せ足早に部屋に戻ると友人を起こす。

寝ぼけていた友人に周りの状況を話がそんな訳あるかと疑われたが、話している顔がよほど必死だったのかじゃあ一度確認してからねと一緒に部屋を出る事になった。


二人で埋まっている部屋の近くに行って耳を傾けるとうめき声の重低音が聞こえてきてやはりそれはお経のようであった。友人も本当の事だと理解したようで真っ青な顔になっていた。

すぐに店を出ようと戻って支度をして部屋を出た。入り口に向かうまでにいくつか埋まっている部屋があったが、すりガラスのようになっている扉にはこちらを向いた人型の何かが立っているのが見えたのであった。


その後は車に戻って少し休憩をとっていたが何かおこることはなかった。後日地域について調べてみると昔刑場があった場所にあるとか幽霊が出るという情報が色々出てきた、そんなことがあったからか宿についての情報をよく調べるようになったのだった。

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