2話 粗めのライフスタイル
落ちたのが森の上だったのが不幸中の幸いだ。
おかげで衝撃も和らいだのか?
それともあの【リカバーマジック】とやらのおかげなのか・・・・
まぁ、とりあえず食料を探そう。
辺りはとても大きな木で構成された森だが、木漏れ日が入る余地はあるようでとても助かった。見渡していると、ふと橙色の果実が目に入った。
食えるのか?でも食わなきゃどっちにしろ死ぬだろうし・・・・
恐る恐る手を伸ばしその艶のある果実を頬張った、とても渋い。
もしかして、柿?こんなところに育つのか?柿を育てたことのない俺には特徴なんて知らない。もしかしたら育てたことがあるのかもしれないが、生憎記憶喪失なのでな。
色々考えたが三つほど持って先に進むことにした。
やっぱあと一つぐらい食べてから行こう。
フュイ!!
突然草むらから狸のような動物が襲い掛かってきた。
鋭い爪と発達した前足の筋肉、縄張りを荒らすなと言わんばかりの殺意。
でも可愛い。嫌いじゃなi
フィ!!!
鋭い爪を立て、恐るべきスピードで引っ搔いてきた。
「痛った!」
--オートメーションスキルトリガー確認--
--魔法補助プログラム起動--
--対象関数:生物族遺伝子系統魔法--
--【修復】を発動します。--
緑の光がもう一度体を包み込み、光が消えると同時に痛みも消えていた。
しかし、このまま逃げるにしても今のスピードを見たところ現実的ではない、と言っても攻撃する能力なんてないからなぁ・・ジャブ打ってみるか?
--再起動します・・--
--Hello World!--
--インポートされたモジュールを再定義します--
--ImportError: No module named 'NatureMagic'--
--ImportError: No module named 'MagicGeneration'--
--以下341件--
--【エラー宣言】モジュール'Magic'が存在しないか、破損しています--
--MINからモジュールを再度インストールします--
--完了--
--再起動します・・--
先ほどの声と同じ声が再び頭に流れ込む。
--【火炎放射】を実行しますか?--
--Y/N?--
うぉ!なんだ急に?
しゃあない、どんな可能性にも今は賭けるしかない!
「YES!」
--魔法補助プログラム起動--
--対象関数:自然族火炎系統魔法--
--【火炎放射】を発動します。--
その宣言と同時に手の掌が発射口のように朱と金色の火柱がターゲットより二回りほどの大きさで襲い掛かり、一口で含んでしまい、さきほどの狸は動きがとても鈍くなった。どうやら足がうまく動かないようだ。
すげぇや!だが、まだ命はあるな・・・・しかたないこちらも腹がすいている。いただくとしよう。
そばにあった少し大きめの石を手に取り心を込めた。
「いただきます。」
先ほどの【火炎放射】?で更に加熱して食べてみた感想だが、おいしくはない・・・・命をもらっている身なのでそんなことは言えないがそう思ってしまったな。
まぁ戦うすべも分かったし、生き抜くのはこのスタイルで十分そうだ。
ただ、あの声の主は何なんだ・・?
--こんにちは!お呼びでしょうか?--
わぁ、あぁあ、ぁ?
--はじめまして!私はMOSのAIアシスタントです。:)--
おお、そうか。
なんていうか、あの、え?、あなたは誰なんですか?
--はじめまして!私はMOSのAIアシスタントです。:‑]--
あぁ、言い方が悪かったな・・・・まぁいいか!
君は何ができるの?
--私はMOSの全般の制御、又その補助の権限を持っています!お気軽にお呼びください!--
へーーやるやん
とは言ったがまだよくわかっていない。この先調べることが増えたな、まず情報がほしい。この世界の作り、仕組みもよくわからない。それに記憶喪失だしな・・・・だれかいないものか・・・・
なぁAI俺は誰だ?
--あなたのusernameは'ディレム'です。--
!? そうか、ディレムか!
他に知っていることは?!
--ログデータを確認しましたが、メモリに履歴は存在しませんでした。
あなたとお話したのが今日が最初です。--
そっかぁ~残念。まあ名前が分かっただけいいか!
君の名前は?
--私はMOSのAIアシスタントなので名前はありません :3--
不便だな、名前を決めようか、どうしよう・・・・
アシスタント+AI+謎の声+割と便利・・・・
お前は今日からユストだ!
--わかりました!私は今日からユストです! :^3--




