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星空のライラックと、聖夜の虹星

作者: 逢乃 雫

冬萌えの青草に


吹きゆく風が



(ひいらぎ)の枝と


葉の上を流れて



広がる凍て雲の


(そら)の彼方へと



冬木道に並ぶ


キャンドルのような



(けやき)はカラメル色の


夕陽を浴びて



やがて


輝き出す


ライトアップの



光にまるで


星のなる木のように




葉牡丹の


やわらかな葉が



北風をそっと


包みこむとき



聖夜の燈し火のように


紅く鮮やかに



ポインセチアは


願いを街に燈すように




クリスマスの宙の


彼方へと駆ける虹星



天頂に輝く


ぎょしゃ座の星々



夜空に咲く


星のライラックが



五つめの花びらに


幸せを描くように



虹色の星


カペラは瞬いて




クリスマスの宙の


彼方から煌めく明星



凍てつく夜空に


ひときわ輝く



夜半(よわ)の明星は


新たな暦と


春へ導く光となって



プレアデスの


星々を追いかけて




夢という


こころの明星を



未来の空に


輝かせられるように



冬に咲く花もあれば


冬に苗を植える花も



夜だから見える星があり


冬にこそ気づく星の光も



こころの


土をあたため


種をまき


芽を育てて


そこに繁りゆく



言の葉に


願いと祈りをこめて



時に地面に


視線をこぼす



時雨心地の日も


あるかも知れないけれど



その時は


この惑星と一緒に


周りながら、明日へと



そして


宙の彼方へと


続く春色の


空を、信じて




冬萌えの青草に


吹きゆく風が



広がる凍て雲の


青い宙の彼方へ流れ



鮮やかに


紅く葉を染めながら



ポインセチアは


心の燈し火のように




星空のライラックと


聖夜の虹星に、願いをこめて


















12月の夜空高くに上る、ぎょしゃ(馭者)座は、五つの明るい星が目印で、最も輝くカペラは、光の加減で七色に見えることから「虹星」とも呼ばれます。


ポインセチアは、小さな花の周囲の葉が紅く鮮やかに色づき、花言葉は「聖夜」「幸運を祈る」です。


ライラックは、冬に苗を植え春に花が咲き、花びらは通常四つですが、五つのものは幸運を呼ぶとされます。「夜半よわ明星みょうじょう」は木星で、12月頃から翌春まで夜空に輝きます。


季節の星や花をモチーフに詩を描かせていただきました。お読みいただき、ありがとうございます。


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― 新着の感想 ―
名前の響きが好きな「ライラック」がタイトルにあり、そのまま惹かれてやって来ました。 クリスマスシーズンに読めなかったのが悔やまれます笑 柊や葉牡丹といった冬の植物や花が寒さに負けず、星々と対になるよ…
まさしく「聖夜」を感じる詞だと思いました。ううっ。すをません、語彙力がないものでm(__)m 特に心に残ったのが。 >時に地面に >視線をこぼす >時雨心地の日も >あるかも知れないけれど >その時…
「冬萌えの青草」から始まる冬のシーンが印象的です。「冬木道」に並ぶ木が冬の中で健気に生き生きとしていますね。ライラックを探して見たくなりました。 冬は星が綺麗ですね。私にもカペラが分かるようになりまし…
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