1:『私は見られている』 感想
皆様こんにちはこんばんは、遊月奈喩多と申すものでございます! いよいよ始まりました、ホラー冒頭博覧会!
16もの恐怖と狂気が、私たちの夏を侵していく……!
よく掲示板にある統合失調症スレみたいなお話かと思っていましたが、本当の恐怖は最後に待っていましたね……! まさか話したら伝染るタイプの……しかもいろいろなところで起きるタイプの現象だったとは(本編の『私』とA沢さん、D子さんに前から接点がなければ)。
誰にどこから見られているとも知れない現代社会、筆者もいつ他人に見られていてもいい、後ろ暗さを感じさせない立ち居振舞いを心がけてはいますが、視線も逸らさず──というのは異常で恐ろしい話なのです。
書きながら思いましたが、ひょっとしたらいろいろな人の噂とか言伝てを巡りめぐった結果『私』まであの視線が届いたのかも知れませんね(年代違うし)。A沢さんがどうやって視線を克服したのか、それがこれから語られるのかと思うとドキドキしてきます。
以前某タラララランな奇妙な物語で似たお話を見たときは目薬がキーアイテムになっていたようですが、このお話では伝え聞いて想像することがキーになっていたりして……? いや、気になりますね、この視線の真相。
わくわくする冒頭をいただきました!!
前書きに引き続き、遊月です。いやぁ、現代において共感しやすい恐怖体験……と思いきや、命すら脅かすような現象でしたね!
人の視線が気になるといえば、最近筆者がプレイ動画や実況動画を観ている、ある思惑によって集められた7人のアイドルが、主催者の出してくる様々な審査をクリアしていくアイドルゲームを思い出してしまいます。審査で落ちると敗者復活をかけた罰ゲームという名の処刑で脱落することとなり、結局最後にひとりが生き残るというストーリーなのですが、集められたアイドルのひとりに、自分がリーダーを務めるグループに入って自分にすごく懐いてくれていたメンバーが突然脱退したのを気に病み、すっかり自信をなくしてスランプに陥ったアイドル(以降A)がいるんですね。
誰かに見られているような気がするという恐怖に怯え、同じグループに所属してAを崇拝している親友(以降R)からは『ブラッドムーン』と名付けられるほどに病的な不安に襲われる彼女ももちろん先述のデスゲーム審査に参加することになるのですが、ゲームを進めていくとその脱退したメンバーはグループ内でのいじめ(Aは知らない)が理由で逃げ出しており、顔と名前を変えて(以降Sと呼びます)、AとRのふたりに復讐するために元気タイプの妹系アイドルとして別のグループに所属しており、虎視眈々と復讐の機会を狙い続けていることがわかります。SはいじめはリーダーであるA主導だったと信じて疑っていませんが、実際のところはAと髪型まで被せるくらい懐いていたSを邪魔に思ったRが独断で周りを引き込んで行ったものでした。それがわかったときの「……ふじみん、信じないよ」から窺える精神崩壊ぶりったらなかったですね……嬉々として元々憧れていた相手を処刑送りにしたことを悔やんだのかどうか……(謝罪させる前に死なせちまった!という後悔は明確にしています)。考えるとワクワクしますね。
そして先述のいじめを主導していたRはというと、芸能界デビュー時にAの純粋な輝きに当てられてからというもの完全に崇拝者となり(Aちゃんは、うちの太陽や!)、Aの芸能活動の妨げになりそうな物事は違法な手段を使ってでも排除し続けているはんなり系女子です。この後書きで書くとさすがに長くなりすぎるので割愛しますが、すんごいですよ。筆者はこのRを知ったとき、まずPi●iv百科事典の「クレイジーサイコレズ」の欄を思い出し、『これ載ってるんじゃない?』と調べたら『主なクレイジーサイコレズ』の中に堂々と名を連ねていましたからね。それくらい、みんなからクレイジーサイコレズという印象を持たれるアイドルだったんですね……。
※ 渦中にいたAはいじめのことは知らないばかりか、ゲームを進めていくとびっくりするほど裏表のないいい子であることがわかります。周りがヤバいだけで、Aはね、いい子だったんです
SもAに対しては嫌悪を募らせながらも、『いじめに関わっていたという確たる証拠があれば、あの笑顔や気さくな態度を憎みきれる』と思っているので、たぶんまだAに対して憧れていた頃の気持ちを自分で思っているよりは捨てきれてなかったりするんだろうなと思うとね……。Aを巡ってやたらドロドロした感情が交錯していて、見ていて楽しいですよね。この辺りは、A、R、Sのシナリオを全部読むとそれぞれの視点からいろいろ語られていてよいかも知れません(筆者はこのゲームをやるためにPSVi●aを買いたくなりました)。
ということで、デスゲームの話をしたいんだか一部アイドルたちの拗れた関係性の話をしたいんだかわからない後書きにはなりましたが、それだけ人の視線が自分に集中しているという感覚って恐ろしいよねというところで、この作品の感想とさせていただきます。
ではではっ!!