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俺だけのダンジョン  作者: 橘可憐


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誤字報告ありがとうございます。

とても感謝しております。


国家未詳案件調査対策室の応接ブースで課長と話をしていた。


赤塚美憂はとある筋からゴリ押しされて国家未詳案件調査対策室に入り裕の助手になったが、今朝になってから電話報告で辞めると言い出した事で、課長はこれだからと憤りをぶちまけていた。


裕は自分と顔を合わせ辛いのだろうと思いながら口には出さず、課長に何があったか聞かれても心当たりが無いととぼけ話をひたすら聞き流していた。


本来だったらアメリカの時同様涼太と出かける予定だったらしく、来週からの北海道の方は結局また涼太との同行になるらしい。


そして空間を提供したお礼は裕の方から要望が無いので勝手に決めたと提示されたのが、今まで月100時間計算だった給料を160時間に増やしてくれると言う話だった。

もっとも時給は変える事はできず2000円のままだが、雇用保険と厚生年金にも加入できて、今まで通り登庁の強制は無くリモート扱いで行動制限無しだ。


裕的にはレベルアップできた様な気になり単純に嬉しかった。

国家公務員として正式採用も正直ステータスとして考えた事もあったが、辞めたくなったらいつでも辞められるアルバイトの立場を今は保ちながら、高給を貰えるのなら言うことは無い。


誰にも見せられない稼ぎならもう一生困る事は無い位に稼いでいるので、誰かにいつまでも使われている気は無く、時期を見て悠々自適生活にシフトチェンジしたい裕には今の状況は実はとても居心地が良い。


何しろ今の裕は家族を見返すためのステータス(稼ぎ)が欲しいので、源泉徴収票という家族に堂々と見せられる物に書き込まれる数字が大きければ大きい方が有難いし、毎日の行動を縛られないのも助かっている。


世の中働き方改革と言っているが、本当にこれで良いのかという好待遇としか思えなかった。


結局2時間近く課長の長話に付き合い、来週からの北海道行きの予定も確認し、裕は国家未詳案件調査対策室を後にした。


時間を確認すると時計は午後の3時を少し過ぎた所だった。


今から急いで帰ってもダンジョン攻略をするには中途半端すぎると、久しぶりに都内散策をする事に決めた所でスマホが鳴った。


こんな時間にかけてくる事など無い叔母からの電話に急いで出ると、今夜は大事な話があるから家に居ろという一方的な話だけして電話は切れた。


大事な話があると言う事は、叔母の帰りも早いのだろうと予測して、裕は有名百貨店のデパ地下に寄り、美味しそうな総菜を買い込んで帰りを急いだ。


自分で何か作ろうかとも考えたが、折角決めた都内散策を全くせずに帰るのはちょっと躊躇われたのと、裕自身も偶には誰かが作った美味しい物を家で叔母と一緒に食べたくなったのだ。


そうして家へと帰り叔母を待つと、思っていた以上に早く帰ってきた叔母は着替えもせずに裕をリビングのソファーに座る様に促した。


いったい何事かと身構える裕に、叔母は何から話そうかとでも思案する様に難しい表情を見せて少し考えている風だったが「例の物って何?」と唐突に聞かれ裕は焦った。


例の物とは例の空間の事を言っているのだろうと思い付いたが、それが何故叔母の口から出て来るのかが不思議で答える事ができなかった。


「あのボロアパートを購入したいって言ってた中国企業が、今度はこのアパートを購入したいって言ってるの。初めは私のストーカーかと馬鹿な事を考えたけど、向こうが言うには裕が隠している例の物と一緒と言う条件で、とんでもない金額を提示して来たの。足りなければもっと出すって。いったい何を隠しているの?私はどうしたら良いと思う?」


裕は咄嗟には答えられなかった。答えに詰まっていると叔母がまた口を開く。


「私の正直な話をすると、この前裕が一樹や春馬に遺産目当てって言われてるの聞いちゃったのよ。ちょっとショックだったわ。そういう問題をまったく考えて無かったって。私は裕が自立してくれればそれで良かったの。別にアパート経営がしたかった訳じゃ無いし、いずれそんな面倒な問題になる位なら手放してしまいたいと考えてもいたの。勿論裕との養子縁組も考えたけど、きっとそれだけじゃ問題解決にはならないと思うのよね。私としては兄弟が揉める種は作りたくないの」


叔母はそこまで話すと大きな溜息を吐いた。


叔母もあいつらの性格は知っているのだろう、だから養子縁組位で諦める訳がなく、裕を好きにできると考えている時点で何の問題解決にもならないと分かっているのだろう。


「きっと裕が隠している例の物のお陰であのボロアパートも破格の条件で売れたのよね。それで今回も信じられない値段で買うと言われて正直驚き過ぎて混乱したわ。わらしべ長者も真っ青よ。それでね、今はもう私から見ても裕は充分に独り立ちできていると思うの。だからこの際このアパートを売り払って、今のうちにその利益を全部裕に渡そうかと思うの。勿論贈与税で大分減らされてしまうけど、私からしたらあぶく銭みたいなものだし、裕にも損は無いでしょう。姉にはローンの支払いに困って手放した事にするわ。そうすれば私は資産的に1円の損も無いし、裕が一樹や春馬と揉める事も無くなるだろうし、良い事尽くめだと思うの。ただ裕が隠している例の物を一緒にというのが向こうの条件だから、こうして裕にも相談しているんだけど、どうかしら?」


叔母は裕が隠している例の物については深く追及するのは諦めたのか、それとも初めから追及する気は無かったのか、それには触れずに話を進めてきた。


だから裕の事を信じ本当に色々と考えてくれているのだと、改めて嬉しさが込み上げていた。


そしてそんな叔母に対しての裕の答えはもう既に決まっていた。


「例の物込みで売るって返事して構わないよ。でもそのお金は俺はいらない。今現在何の不自由も無いし、十分すぎる給料も貰ってるから。勿論俺が葵さんの面倒見る気でいるけど、老後の蓄えにでもしておきなよ」


裕は初めて叔母の事を叔母さんではなく葵さんと名前で呼んでいた。


葵さんは裕の返事を聞いて目を見開いて驚き、そして嬉しそうな表情を見せたかと思うと泣き出していた。


その後もお金に関して問答を重ね、結局裕の名義で家を建て残った現金を葵さんの預金にする事になった。


これで葵さんのアパートで管理人をしながら預金を切り崩し、悠々自適な生活計画は完全に無くなってしまい、裕の計画的に後は不労収入で悠々自適生活をするの一択となった訳だが後悔はない。

その為の勉強はするつもりでいるし問題も無い。


「それじゃあ私も転勤の話を決めても良いかしら」


裕が今後の自分の人生の予定を考えていると、葵さんは突然思いもしない事を言いだすので裕はまたも驚いた。


「転勤って?」


「今までは裕の事が心配でずっと断ってたの。でも裕がもう一人でも大丈夫なら転勤しても良いよね?ずっと夢だったの海外赴任」


「家はどうするの?一緒に住むんだよね?」


「しばらくは裕が一人で生活する事になるわね」


家の名義を裕にすると決めた時から何となく何か企みがある気がしていたが、このままなし崩しに一人住まいさせる気じゃ無いだろうなと裕は警戒していた。


「大丈夫よ今までと何も変わらない。そんなに心配なら一緒に海外に付いて来る?」


裕は葵さんの冗談めかした提案にちょっと安心し、それも悪くないと考えていた。



読んでいただきありがとうございます。

題名や内容等色々とご指摘がありましたのであらすじを書き換えました。

自分の表現力の拙さを痛感しておりますが、これからも楽しんでいただけると幸いです。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 報連相全然しないし勝手に売るって言うしマジでガキすぎて厳しい
[一言] 時給2000円は、決して高給取りじゃないよ。
[良い点] 葵さんが素敵 [気になる点] なんで売って良いって即答するの? 例のものを隠さないの? なんで関わりの薄い外国相手に取引するの? 裕君や葵さんが狙われるとか考えないの? [一言] 裕君がピ…
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