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俺だけのダンジョン  作者: 橘可憐


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誤字報告ありがとうございます。

ブックマーク・いいね・評価・感想・本当にありがとうございます。

少しでも楽しんでいただける様に頑張ります。


【接待】というのは本当に気分が良い。


接待を受ける大人達と言ったら、きっとあくどいとかろくでもない奴らが超高級なお店で美味しいもの食べたり、大人のお店で綺麗なお姉さんと良いお酒飲んだりするイメージだったが、おもてなしの精神なのだと裕は何となく学んだ。


現実に現れた裕の理想のままの天使が隣で笑っているだけでも天国にいるかの様だったのに、本人が得意だと言うだけあってリサーチ能力も高く、絶対に外さない店を選び長い時間並ばせる事も無く楽しませてくれた。


いや、寧ろ並んでいる時間さえも楽しいと感じさせてくれた。


たこ焼きやお好み焼きだけじゃなく、ミンチとメンチの違いの解説や豚まんの食べ方の違いなどのうんちくを聞くのも楽しかった。

大阪市内の食べ歩きも劇場でのお笑いのライブも、赤塚さんは裕をというより人を喜ばせる天才だろうと思わせた。


中でも一番感激だったのは人のお金で食べる超高級焼肉の美味しさだ。

きっと一生忘れないだろうと思える旨さだった。


そして今まで遊園地の様な所へも行った事の無かった裕だったので、U〇Jのアトラクションはどれもこれもが初体験で衝撃だった。

開演前に入れたことも、あまり並ばずに優先レーンからアトラクションを楽しめたのもちょっと驚いた。


そして園内の溢れんばかりの人混みまでも楽しいと感じたのは初めてで、まるで熱にうかされて身体がふわふわしている様だった。


しかし裕もただ接待されるだけでなく、天使からかなり学ばせて貰った。


もし万が一裕が友達と出かける事があったなら、もしも憶が一女子とデートする機会があったなら、同じように楽しいと思って貰える時間を過ごしたいと考えたのだ。


情報はどこから仕入れるのかや、相手を楽しませるためのポイントに、他人と接する時のマナーと女心の機微の様なもの等々、教えてくれる事聞きたい事は山ほどあり会話もかなり続いた。


「歩く時の速度は相手に合わせるのが最低限のマナーですよ」


裕が夢の国でつい夢中になり、天使を置き去りに早歩きになっていた時にこってりと叱られた。


あまり他人と関わった事が無かった裕には衝撃だった。


けして怒っている天使も素晴らしいなどとは考えていなかった、と思う・・・

そして物語の中ならここできっと手を繋いだりするんだろうな、と考えていたりなどしなかったと強く言っておく。


そう裕は接待と言う楽しい時間の中で、他人との接し方楽しませ方を学ばせて貰っていたのだった。


少なくとも裕のこれからの人生において、他人とのトラブル回避のためにも学んでおいて損は無いと思っていた。

と言うか、そういう話題が一番会話が続いた。


そして裕は自分以外の誰かの事も少しは考えられる様になっていた。


「赤塚さんのお陰で凄く楽しかったです。それで急に無理を言って申し訳ないですが、明日帰る事にしませんか。俺、どうしてもやりたい事があって」


一週間の間接待を受ける気満々だった裕だったが、赤塚さんにとってこれは仕事なのだと考えると、これ以上裕ひとりの為に引っ張りまわすのも申し訳ないと思っていた。


多分接待を受ける方は楽しいだけだが、接待をする方にしたら気の使い方もハンパなく大変な事だろうと、天使の事を気遣ってみた。


しかし正直を言うと、そんな事より何より夢の国で手に入れた魔法の杖を今すぐ試したくて仕方がなかった。


そう裕は【魔法の杖】を手に入れたのだ。


今まで何となく具現化させていた魔法だが、裕は杖を手に入れたのだ、これからは格好良く威厳を持って魔法を発動させられるだろう。


となったら試したくなるのは仕方のない事だろう。


何なら詠唱や魔法名にポーズを考えても良いとさえ思っていた。


「えっと、何か気に障るような事をしちゃったかな?」


天使は裕が期間を切り上げるなどと考えてもいなかったらしく不安気な顔をしていた。


「違う違う、寧ろ楽しすぎて帰りたくないくらいだ」


「じゃぁ何で?」


「だからやりたい事ができたって言ったでしょう」


裕は買ったばかりの杖の入った箱を軽く叩きながら「これを使ったらやっぱり魔法の威力も上がるのか試したいって思うでしょう、本当に俺の我儘でごめんなさい」と頭を下げて謝った。


天使は呆気にとられた様子だったが、そんな表情も可愛いなどと絶対に考えてはいなかったと言っておく。


そんな裕の考えを読んでいた訳でもないだろうが、少しの間をおいて「もし迷惑じゃなければ、魔法を使っている所を私にも見せて貰えませんか?残りの日程は私にダンジョン見学をさせてください」天使は意を決した様に上目遣い気味に囁いた。


(あざとすぎるだろう~)とは間違っても考えてなどいない、と言っておく。


しかし思ってもいなかった天使の要請に裕は少し戸惑っていた。


天使を連れてのダンジョン攻略となると、聖女様やエルフのダンジョンには入りづらい。

あくまでも裕の趣味嗜好がもろバレするのが怖い訳では、あるけれど・・・


となると黒猫のダンジョンと言う事になるが、そうなるとスタンピード状態の一角ウサギを見せる事になるが、やはりそればかりは天使相手じゃ憚れる。


かと言って、ここで頑なに断るのも男が廃る。


散々天使に楽しませて貰っておきながら、天使のそれ位の望みを聞けない様な男にはなりたくない。


(いったいどうしたら・・・、考えろ考えろ、考えろ・・・、そうだ!新しいダンジョンを探そう!!)


どっちにしろ九尾のダンジョン出入口も部屋に設置する気になっていた、曜日ごとに攻略するつもりなら後1つ2つ増やしても大丈夫だろうと裕は考えた。


ずっと踏ん切りがつかなかった裕の背中を天使は思いっきり押し、裕はダンジョンを増やす事をいともあっさりと決めていた。


(まぁ、どうにかなるだろう)


裕は天使の要望を快く了承しホテルへと帰るのだった。



読んでいただきありがとうございます。

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