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≪一定値の浄化の確認ができました、願いの申請を受け付けます≫


いきなり脳内に響くAI音声に驚き、慌てて管理者の黒猫へと駆け寄ると、謎生物の湧きは一時収まり、黒猫が裕の肩に乗っかった。


願いの申請と言われても裕には急には何も思い浮かばなかった。


「願いって例えばどんな事が叶うんだ?」


≪あなたが想像し得るモノすべて事象ではない限り可能です≫


「それは物ではなく能力でも可能なのか?」


≪能力とは≫


「例えばさぁ、異世界物の定番でステータスオープンとか鑑定とかアイテムボックスとかの能力の事だよ」


≪可能です≫


裕はこの現実の世界でそんな能力を手に入れられるとあっさりとした返事を聞いて、自分でも本当に驚いていた。


「本当に可能なのか?」


言い出しておきながら自分でもまだ信じられず確かめずにはいられなかった。


≪本当に可能です≫


そもそも想像と言ってあたかも自分で考えたかのように思っているが、情報の操作・思考の植え込み・記憶の蓄積などから想像させられているのだと言う。


『誰に?!』


その事からも想像できる時点で創造は可能なのだと言う。


『理屈は後から追いついて来る』と言うが難しい事は良く分からん。


何にしても裕の中で願いの範囲が広がった様で選択肢が狭まったのは確かだった。


(この現実で手に入れて有用な能力ってなんだ?子供の頃スペックホルダーに憧れただろう。あの時どんな能力が欲しいと願った?そう当時は瞬間移動とか瞬間記憶能力とか透視とか明らかに何のために手に入れたいか分かり切ったスペックだった。

でも実際問題今現在本当に手に入れたいスペックと言ったら瞬間移動かな、やっぱりどこ〇もドアは超便利だと思う。しかし誰かに見られたら厄介な事この上ない。ここはこのダンジョンで異世界風を楽しむためにもやはりまず初めはこれしか無いな)


裕は考えた末にようやく答えを出す。


「ステータスオープンでお願いします」


裕がそう言うとしばらくの間(多分10秒くらい?)の沈黙の後≪完了しました≫と返事があった。


「完了した?!」


≪開いて見てください≫


そう言われ、早速「ステータスオープン」と呟くと脳内と言うか目の前に現れる文字の羅列。



名前 山伏 裕治 生年月日 2006 10 28 住所 ーーーーーーー 職業 アルバイト



「管理人ってアルバイトだったのかって、違ーーーう! これはただの個人情報、コレじゃマイナンバーカードと変わらないじゃないか!!!」


裕はその表示内容を目にして思わず声高らかに叫んでいた。


≪あなたのステータスです≫


脳内に響くAI音声相手に裕は大きなため息をつく。


「もう良いよ」そう呟きながら裕は、次の願いはレベルや身体能力の数値化を願うのだと決めたのだった。



読んでいただきありがとうございます

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