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裕はスライムダンジョンへと戻り、このダンジョンの場所を特定するためにダンジョンの出入口から外へ出てみた。
外は鬱蒼とした雰囲気では無かったが、しばらく手入れされた形跡は無く、人が歩いた形跡も無く下草も伸び放題の森林内だった。
(これはこの場所を特定するの難しくないか?)
裕はスマホをジーンズの後ろポケットから取り出し、マップ機能アプリを起動し現在地を確認すると、そこはT県の新興住宅街のすぐ近くの様だった。
意外にも自分の住む街にも近い事に安心し、万が一引っ越すまでに出入口設定の願いが叶えられなかった時の事を考え、このダンジョンまで通う為の交通手段を確認しながら歩いて帰る事にした。
その前にダンジョンの出入口の場所に何か目印を置こうと辺りを見回したが、丁度良さそうな物など何も見つけられず、木の大きさだって似た様なもので目印にもならない。
ここから離れたら出入口を探すは大変そうだと考え、何か対策を考えないとと思いながらダンジョンを後にした。
一応アプリのマップには履歴が残るから大丈夫だとは思うが、念のため歩きながら歩いた場所が分かる様に木の枝を折って目印にして行った。
(ここもきっと誰かの土地なんだろうから、やっぱり不法侵入って事になるんだよな?)
そんな事を考えながら歩く事5分ほどで木々の間から見え始めた街は思っていたより大きく、裕が苦労したのは街に下りてからだった。
住宅街の他にも商業施設や企業の工場や倉庫が建ち並び、無駄に広いせいか自家用車移動が当然の様で、かなり歩いて大通りに出てみたが、バス停を探すのも駅まで歩くのもさほど変わらない距離だったので結局駅まで歩く事にした。
裕がこんなに歩いたのは久しぶりだった。
しかし意外にも足が痛くなったり疲れを感じなかったのは、きっと今でも空手とボクシングを辞めずに続けているからだろうと一人納得していた。
そうしてボロアパートまで帰り着くのに有に2時間以上も掛かっていた。
(やっぱりあのダンジョンに通うのは絶対に無理だな)
裕は改めて次の願いでダンジョンの出入口を部屋に設定できる様にしてやると誓っていた。
「この部屋を離れるまでに絶対に願いを叶える」
改めて声に出す事で裕は自分自身に気合を入れていた。
時計を見ればちょっと中途半端な時間ではあったが、今誓いを立てたばかりなので、裕は迷わずスライムダンジョンへ行く事にした。
「それにしてもこの湧きの遅さは致命的だな」
初めてダンジョンで戦った頃はこの速さでも精一杯だった筈なのにと、裕は何となくおかしな気分になった。
近くでぽよんぽよんと弾むスライムは何故かとても大きくて、バランスボールの一番大きなサイズ以上はあるだろうと思われた。
裕のイメージでは、スライムはバスケのボールより小さなものだと思っていたので、初めはちょっとだけ戸惑った。
しかし慣れてみればたいして気になる事も無く、裕はこの大きさと言うか体積がきっと一回に浄化させる適量サイズなのだろうと、かっぱ擬きの大きさと比べて勝手に納得していた。
(だから討伐報酬の値上げが無理だったんだな)
そこから推察するにダンジョンの魔物の強さはさほど関係なく、大きさが重要なんだなとさらに勝手に思い込んでいた。
(じゃぁ、このまま一撃で倒せる魔物で少しでも早く多く倒した方が稼げるって事じゃん)
裕は既にこの先見つけるだろうダンジョンの事を考えながら、スライムに向けて弾丸を放ち一撃で倒すと、次の湧きを待ちながらやっぱりこの間が退屈で物足りないと思っていた。
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