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俺だけのダンジョン  作者: 橘可憐


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某国家機密研究所では


「そろそろ発見の報告を聞きたいものだね」

頭をてからせた年嵩の研究所所長がリモート通話相手の青年に静かに聞いている。


「場所的にはこの辺で間違いない筈なのですが、いまだに発見できません。せめてUFOでも飛び立ってくれれば特定も簡単なのですが、今回の基地はもしかしたら地上では無いのかも知れません」


「どうしてそんな事が言える」


「所長も日本の事はご存じでしょう。この辺りは住宅街らしく小さな家が隣接していて、こんな場所に宇宙人が基地を作るとも思えませんし、UFOが飛び立ちそうな広い庭も見あたりません」


「なんでもいいが早期発見に努めてくれ、かの国どころか日本もいよいよ気づいたらしく活動を始めたようだ。この事に関して私達はどこよりも早く長年研究を重ねているのだ、今さら出し抜かれる訳にはいかないのだ。君には大いに期待している、新たな基地を見つけそして新たなヒーローとなってくれたまえ」


所長は青年を励ます様にそう言うとリモートを切った。


「しかし彼も奇妙な事を思いつくものだ、上空に基地などどうやって作ると言うのだ。人の目につかないステルス機能の空母でも開発したのか?まさかとは思うが、日本のあの狭い住居内にも基地を作れるというのか?まさかな・・・ははは」


所長は静かに頭を振りながら自分の考えを笑い飛ばした。



某国国家機密機関では


「まだ発見できないのか」


でっぷりと太った初老の男性が通信相手を怒鳴りつけている。


「簡単に言わないでください、ここじゃちょっとゴミを投げ捨てた程度で睨まれて碌に話も聞けやしない。最近じゃ近所の奴らに遠巻きに嫌な顔をされるんですよ、まったく馬鹿にしてるったらありゃしない。それより土地購入の話はどうなったんですか、この辺みんな買い上げてくれれば私もこんな苦労をしなくても済むんですがね」


「話は進めているが何にしても住宅の1軒や2軒購入しても仕方ないだろう、そのアパートの持ち主もかなり強欲な様で、高齢の住人をたてになかなか首を縦に振らない。まあ最悪の場合強硬手段に出るつもりではあるが、今の所は派手に動くのは控えている。それより進捗状況は逐一報告したまえ」


「何言ってるんですか、たいした噂話も聞けないのにこっちは足を棒にして探し回ってるんですよ、報告できる事があるならとっくに報告してますよ」


「それでは手掛かりすら掴めていないと言うのか」


「歩き回って探してみましたがそれらしい場所は見つけられませんでした。今は噂話収集のために盗聴器を仕掛けていますのでその結果をお待ちください」


「私は結果を出してくれさえすれば良いのだ、引き続き励んでくれ」


「フン、どいつもこいつも偉そうに馬鹿にしやがって」


通信を切るとボロアパートの一室で男は頭からヘッドホンを外し吐き出す様に呟いた。



某諜報機関室にて


「それで彼らは何を目的に動いているのか掴めたのか」


「良く分かりません、しかし中国だけでなく米国も動いている様でこのアパートに何かあるのは確かなようです。最近は日本も参戦した様でいよいよ満室になりました」


「いったいそのアパートに何があると言うのだ」


「アパートの住人や管理人だと言う青年に接触を試みていますが、今の所何も聞き出せていません」


「日本人は韓国料理かアイドルかドラマの話をすれば引き込むのも簡単だろう、早い所懐柔して奴らが手に入れたがっている物を入手してしまうのだ。最悪先に見つける事さえできれば私達も権利を主張できる、そうすれば後から何を言われようが私達の物だ何が何でも聞きだしてくれ」


「分かっています、日本人なら簡単でしょう」


「では頼んだぞ」


通話を切ると彼は今日こそ管理人室に上がり込んで情報収取(情報収集)をすべく対策を練ろうと自前のパソコンを立ち上げるのだった。



読んでいただきありがとうございます

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