表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/51

第16話 そして来たるは、月曜日

鍵っ子です。


突然ですが、表現する上で間違えたりすることがあると思います。


例えば

コミニケーション→×

コミュニケーション→〇


シュチュエーション→×

シチュエーション→〇

私もやってました! シチュエーションです! そうなんですよ、誤字多くてすいません。

たまに読み返して気づいたら直してます。


恥ずかし死しそう……。

 そして気づけば月曜日がやってきた。学生だろうとなかろうと、土日休みやそもそも休みなんてもの自体は瞬きをしている感覚くらいに過ぎ去っていく。


 間違いなく、時間の進み具合に細工してるだろ! いや、分かりますよ……分かってますよ!

 まぁ、そんな粗末な言い訳はさて置き、非常に嫌な予感が拭いきれないまま今日も一日がスタートしている。


「おはよーさん! 今日はお日柄も良く……」

「何処がだよ、雨だよドシャ降りだよ、なんなら桐内も電車だったろ」

「あっ……ははは〜」

 季節は梅雨時期真っ只中、晴れるどころかしばらく雨のオンパレードだ。


「あっ! それと、おはよー! 冬梅」

「ふふっ! おはようございます」

 いや、本当にこの人自由だな! 自由過ぎない!?

「おはよう、冬梅」

「うん、おはよう」


 相変わらず、長い前髪で隠しているけど口角は上がっているので問題は無さそうだ。


「そそ! 冬梅さん、実はこいつがさ〜」

「な、なに!?」

「ちょい、ちょい、耳かして〜!」

「う、うん……」


 ちょいと遠慮気味な感じではあるが、冬梅が桐内の与太話に付き合わされていた。


「ってな、訳よ!」

「て、手作り弁当……」

「まぁ、お礼を兼ねて〜みたいなおせっかいだとは思うんですがね……」


 ゴンッ! 突然僕の頭に痛みが走る!


「うわぁ、いたい」

「話を広めてんじゃないわよ! バカなの!?」

「やーい、やーい! 大山おこられてやん……」


 スパンッ! 瞬く間に鋭い筆箱の横薙ぎが桐内を襲う。

 と、いうより! 僕は何も言ってないんだが!? 被害者なんだが!?


「あのー、僕は何も言ってないんだが」

「なに言ってんのよ! あーしのサインを桐内に言ったから知ってんじゃない!」

 うそーん! 手作り弁当だけで察したの? いや、まぁ……分かるか。


「でも、凄く素敵だと思うよ。ぬるちゃん」

「ったく! ちょーし狂うでしょうがぁ」

「何々! どーしてぬるちゃんが調子狂うの?」


 ど~ん! と、ぶつかる様な勢いで夏川が春山に抱きついて行く。


「お! 賑やかし担当もおはよーさん!」

「やーやー! みんな、おはよーだよーん」

「んなことよりも! いきなり抱きついてくんなし! 暑苦しい!」

「ノンノン! これはスキンシップなのだよ!」

「なんともまぁ……」

 しみじみ、こんなやり取りをしているとなんだがこう、上手く表現はできないけど安心? するなぁと、感じてしまう。


「とりま、大山は昼休みそのままいること!」

「仰せのままに〜」



 そんな返事を僕がすると共に、チャイムが鳴り響いた。







 気が付けば友達に囲まれて過ごす日々が当たり前になっている。雰囲気は何だかんだで凄くいいし、楽しいと思える。


 しかし、その反面で裏側に潜むもう一人の自分は常に警報を鳴らし続けている。

 僕が歩み始めた道は、数学の様に決められた数字が配置されてなどいない。


 後々、彼や彼女達は僕と仲良くなって行くことを後悔するのではないかと、思ってしまう。とは言っても、最早そんな躊躇や思考は意味を成さない。


 だから――。

 せめて――。

 僕はみんなの力になりたい。


 あの日の様な、悲劇は二度と繰り返さない。







 午前中の授業は終了し、昼休みが訪れる。


「ん!」

 昼休みを告げるチャイムが最後の余韻を残した後、体感では約一分弱と、言った辺りでソレは唐突に始まる。

「わっ、春山いきなりどうしたの」

「約束したやつ」


 約束……。


 目の前には星マークが散りばめられた長方形の青い袋が僕に向けて差し出されている。


 集まる注目、どよめく会場に怨嗟の視線すらピリピリと伝わる。

「あっ、あ……あー」

「早くうけとんなさいよ! 腕しんどい」

「どうも」


 あ~、さようなら……僕の静かでゆったりとした学園ライフ! そして、ようこそ! 波瀾さん、ゆっくりしていってね!


「え!? 何々? ぬるちゃんまさかのお手製弁当!?」

「いやいやまぁまぁ、落ち着きなさいよ~夏川さんや」


 ドウドウと、興奮気味な夏川を桐内が落ち着かせようとしていた。


「やっぱり……お二人は、つまり」

 思考がたった今、誤った答えに辿り着こうとしているのは冬梅、教室内はあらぬ噂や怨嗟の声やらでどんちゃん騒ぎである。


「ちがっ! これはそうじゃなくって! りあちゃんもそれっぽくしないでってば!」


 必死に弁明をしようとあたふたする春山、流石にこうなってしまうと彼女も照れるんだなぁ――。


「これはこれは、何やら騒がしいと思って来て見ればこの賑やかさは何事かな?」


 これまた、一際はためいわ……様子見にやって来た人物の登場によって、更に教室のボルテージは上昇する。


 やれカッコいいだの、好きだのあーだこーだと黄色い悲鳴も入り混じる。そいつは両脇に女生徒を編成して、金髪センターパートのイケメンは僕達の前に立ちはだかる。


「な! 成瀬川じゃん! どったのさ?」

「やぁ、騒がしいからついうっかり遊びにきてしまったよ。桐内……と、おおやまくん」

 冷めた瞳に写るは、冴えない自分の姿……。

 予感的中、最悪なタイミングで成瀬川は姿を現した。

「どうも」

「なるせがわさぁ~? あんた教室を間違えてるよ〜?」

「こんな所に何の様子見なワケ?」

「いや、だから最初にオレは言ったでしょ? 騒がしいから見に来たんだよ?」

 しばしの沈黙、後にクラスメイトの一人がゲロる。


「は、春山さんがその〜大山くんに手づくり弁当を渡してて、盛りあがってた的な?」

「なる、ほどぉ〜? 親切にありがとうね! で? 大山くんは何故お弁当をわざわざ作らせたのかな?」

「いや、これは釣りをしてる最中に春山さんに海に落とされて、僕だけが魚を食べ損ねたからお弁当を作って来てくれただけであって……」

 お、落ち着け! 頭の中ではこう、訴えているのに何故か上手く説明ができない!

「ふ〜ん……? わざわざ作らせて、こんなにも可愛い子がこれだけ勇気を振り絞って渡したお弁当をこんな大胆に受け取るなんて……」

「なんでしょうか」

「あらかじめ、受け取ることを理解していたにも関わらず、周りに見せつける様に立ち回る。もっと他にやり方はあったにも関わらず、だ」


 まさに、敵意剥き出し! 完全に僕を排除したがっているのが分かる。が、それだけでは収まらない説得力もある。


「お言葉だけど、君にとって春山さんはどういったものなのかな?」


「友達ですが」

「ただの! 友達にお弁当をわざわざ作るのかい?」

「さぁ、お詫びなどを兼ねてと言う物であれば作ることもあるんじゃないですか」


 今までにはなかった、何かがプツプツと沸き立つ? そんな感覚が少しあった。


 一体、これは……。


「いい加減にして!」


 しかし、そんな一瞬の出来事は突き刺す様な声音で全て持って行かれる。


「お、おい? 何もそんな大声出さなくともさぁ〜」

 なだめる桐内でさえ、睨み一つで黙らせる。

「もう、あーし別の場所で食べるから! アンタに弁当も渡さないから!」

「ま、待ちなよ! オレはキミの為に……」

「女はりつかせて、イキがんな! キモい、じゃま!」

 振り上げた春山の右手は成瀬川君へと照準を合わせ……。


「っと! あぶない、あぶない。気を悪くさせちゃったね……ごめんなさい」

 間一髪で、彼女の右手を掴んで回避する。

「じゃま! そこどいて!」

「ぬ、ぬるちゃん!?」

「あっ、ちょっと二人共まって!」


 乱暴に成瀬川の手を振り払い、そのまま走り去る春山を追いかける様にして、夏川と冬梅も去って行った。


「あっちゃ〜……これはまずったな、オレも今回は出直すとしよう」

「いや、おい! なるせがわ! お前――」

「ん? オレの歩みを止める理由はないだろ?」

「あ、あのなぁ……! うぐっ! な、なんでもねぇよ!」

「では、またの機会にね」


 成瀬川はあくまで仕込み側、今回の件では圧倒的に僕の方が主犯になるだろう。実際、成瀬川自身も桐内の追従を許さなかった。


「いい、ありがとう桐内。今回はここで成瀬川君のことは保留しよう」

「いいのかよ! あのままで!」

「冷静に、あくまで保留だから? ね?」

「お、おう」


 そう言って、桐内を落ち着かせ直近で考えなければならない案件に電気信号を脳へ巡らせる。


「あ、俺の買ってたアンパンあげる」

「ありがとう、助かるよ」

 まずは、彼女が爆発した理由を導き出す必要がある。教室内の空気は……読みたくもないので無視とする。


「さぁて? 今回のお怒りっぷりは非常にまずいのは分かるが、どうするおつもりで?」

「う〜ん、春山さんの気持ちを知らないことにはなんとも」

「そっかぁ〜、まぁ、そうだよなぁ〜」

 生返事で天井を見つめ出す程に打つ手はない。と、言った感じで完全に桐内の思考は停止している。

 そもそも、僕は異性との絡みで成功をした経験が皆無なのだ! 



 あれは、小学生の時だ――。

 幼き日に感じたあの寂しさは忘れもしない、あれは茹だるような暑さが際立つ夏の日だった……。

 教室でこんなやり取りをしたんだ。

「あー……すっごく暑いね〜! そうだ! 下敷きあるかな?」

「下敷き? しょうがないなぁ〜」

「え? あぁ……ごめん、大山くんのはいらない」



 あるいは、中学時代で――。

 思春期真っ只中の僕はあの日、寒空の下での出来事を思い出す。

 雪が降りしきる中、学校は下校時間となり、校舎内の出口で好意を寄せていた彼女が立ち止まっていた。

「はぁ」

「ど、どうしたの?」

「うぇ!? あ、あぁ……雪が降ってるなぁって思ってさ」

「傘は忘れたの?」

「あ~、まぁ……あっ! きたきた! 遅いよ〜もう!」

「わりぃ、わりぃ! 代わりにウチで今日は遊ぼうぜ!」

「もう! 仕方ないなぁ〜」


 キャッキャウフフ……と、嬉しそうに寄り添いながら小さくなって離れていく彼女を見たあの日――。




「もしもーし! 大丈夫ですかー!」

「なんて、惨めなんだ。僕は」

「いや、おーい! 大丈夫か? まだ間に合うから大丈夫だってぇー」


 気が付けば、現実に戻っていた。話は微妙に噛み合っていないが、もう修正するのも面倒くさい。


「そうだね」

「そうそう! その意気だぜ!」

 意気揚々とサムズアップする桐内はおそらく何も分かっていないだろう……。

 待てよ、分かっていない? あぁ、なるほど、つまり僕がやるべきことは知るよりも分からないことを知る所から始めなければいけない訳だ。

「ありがとう、桐内のお陰でなんとか光が指してきたよ。後、今日の放課後は部室に寄ってくれるかい?」

「オッケー! じゃあ、女子連中にもサインしておくぞ?」

「いや、それは僕がやるよ」


 言いながら、既にサインでメッセージを送る。もちろん、春山も例外なくだ。


 言うなれば、これは踏み込む行為そのものとなるだろう。


 ただ、この選択こそが正解であると言いたい。


 釣り部のサイングループに向けてメッセージを送信する。

【放課後、良ければ部室に集合して下さい。】


 僕自身にできること、それを全力でやるしかない!



~そして来たるは、月曜日 END To be continued~

ようやく、それっぽい感じになってきましたかねぇ?


ともあれ、まだまだ物語は続きます! 良ければ、ブックマークや感想&評価もお待ちしております!


では、次回の更新でもお会い致しましょう!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ