第14話 高身長イケメンは抜け目ない
鍵っ子です。
気がつけば春も間近⁉ 投稿頻度も遅延しまくりさぁ、大変!
激遅の投稿頻度ですが、意欲が沸き立つ頃にジワジワと更新します!
ガス欠する、本当に継続とは難しい……。
飲みなれないマンゴー烏龍茶が半分になった頃、近くで砂浜をサクサクと歩いている音が聞こえた。
「なんだ、横一列に並んで釣りは終了……」
「あ! 木下先生、おかえりなさーい」
「とりあえず、無事にキスは釣れたんで海を皆で眺めてましたよ」
「それで? なんで大山は全身ずぶ濡れなんだ? ライジャケも膨らんでるし」
「まぁ、ちょっと色々ありまして濡れただけです」
「隠さずに言えばいいでしょーがー! あーしが虫にびっくりしてバランス崩しそうになったのを助けたって!」
「まぁ、これも良い経験って奴だよぉ~。ぬるちゃん?」
「いや、なんでお前が誇らしげなんだよ!」
ツッコミを入れる桐内、頭を悩ませている先生。どれもこれもが新鮮だ。
「まぁいい、怪我がなくてなによりだが、大山は学校に着いたらそのまま帰宅すると良い」
「すいません。では、お言葉に甘えてそうさせて頂きます」
「あ、あのさ……ううん! なんでもない」
「ん? そうか」
「まぁ、しゃーないかー」
「そうと決まれば、かえるぞ~」
釣り道具を先生の車内に突っ込み、僕の座席には二重にタオルが敷かれて各々が乗り込んでいく。 「そういえば、釣った魚はどうする? 部室で捌いて食っちまうか?」
「「「「「え!?」」」」」
「いや、捌いて食うって……流石に天ぷらとかにしないと食べれないですよ?」
「だろうな。調理器具あるし問題ないぞ?」
「まっさか! 調理器具って奥の部屋に!?」
「でしょうね、それしか考えられない」
「木下先生……あそこに住んでるわけではないですよね」
「なんなら、ビールもツマミだって完備してる」
「完全に自室にしてますよね。それ」
クチャクチャとガムを噛みながら、誇らしげに木下先生は語っていた。
「では、先生! 釣りたての魚を悪くすることもできませんし、あーしが天ぷらを作ります!」
しばしの沈黙、なんだって? 春山が料理をする。
今、そう言ったのか?
「ぬるちゃん、料理できるの?」
「大丈夫か? 爆発とかしない?」
「いやいや! ここはぬるちゃんのお手並みを拝見できる良い機会じゃない?」
「しつれいね! りあちゃん除いて全員失礼!」
いや、先生と僕は何も言ってませんが……。
「そこまで言うなら、天ぷらを作ってくれ。春山くれぐれも壊すなよ?」
あっ、この人も全く信用してなかった、前言撤回しておきますね。
心の中でだけど。
「月曜日、元気に登校する姿を見せてね。みんな」
ごめんなさい、反射的につい! いやだってさ、ピンクガールだよ? ギャルと言っても差し支えないお方が料理……鉄板は包丁を使う手つきも危なっかしくてもう……見てらんねぇな! ほら、代われよ的な展開がテンプレでしょ!
「いいわ! この際だからあーしの実力をしっかりとみせたげる!」
そんな会話をしている頃には、知らぬ間に学校が見えてくる。なんと言うか釣りをする上ではかなり都合の良い学校の様な気がしなくもない。
と、言うよりも歩いて行ってもそこまで時間が掛からない気がする。
「ほらぁ、着いたぞ~?」
「先生、今更気づいたんですが……。送り迎えする程の距離じゃない気もしてまして~」
恐る恐る、桐内が僕の思っていたことを切り出す。
「んあ? そんなことは言われなくてもとっくに知っているぞ? そもそも私はこれでも釣り部の顧問だ、時には一緒に釣りをすることだって視野に入れている」
「先生って、たまになんと言うかとてつもないくらいに親切ですよね」
「おい、大山? たまには余計だ、いつも親切できれいな先生だろうが」
「お、おう……。ものすごく圧力を感じるので、やめた方がいいですよ?」
「せんせぇ~こわい~! 目がまじだもん!」
「だぁ~もう! いいからさっさと降りろ」
ガシガシと頭を掻きながら、ばつが悪そうに苦い表情をしていた。
「では、ありがとうございました。僕はこれで解散します」
「チッ! 運のいい奴だ。帰りも気を付けるんだぞ」
「まぁ、結果はのちほどサインで報告する」
「あたしたちの雄姿を刮目していてね!」
「私は! ぬるちゃんを信用しているのでだいじょうぶ」
「つくづくあなた達は……まぁ、度肝を抜いてやるから! 任せておきなさい」
そんな会話をしながら五人と別れ、次第に小さくなっていく背中を僕は静かに眺めた。
やがて、小さくなり校舎の中へと消えていった。なんとなく、少しだけ寂しいのかな。そんな風にも感じる。
バカなことを考えていると思い、踵を返す……。
「やぁ、何やら一人で耽っていると思っていたから声をかけるタイミングを見計らっていたとこだよ」
見ればそこには、学校指定の帽子と体操服姿のイケメンがいた。
見たところ部活の外周走り込みの最中、といった感じだろう。
「あー、ごめんね! いきなり名乗りもしないで声をかけてしまったよ。オレは鳴瀬川って言います」
爽やかな笑み、整った顔立ちはモテること間違いなしだろう。それに踏まえて高身長、流石はモデルをやってるだけのことはある。
「ども、大山です」
「あれ? 君ってそんな感じなんだ。じゃあ、あの時とは随分と印象が違う……のかな?」
わざと首を傾げて悩んだふりか? この手の人は大抵が確信をもっていながらも敢えて聞いてくる。
「なるほど、森先輩の現場を見ていた一人なんですね」
「驚いたな……凄まじく察しがいいんだね」
またしてもニコリと笑顔を見せる。だがな、僕は君の奥底を見ているぞ? 貼り付けたような笑顔は通用しない。
「それで、何を聞きたいんですか? 大方、春山に関してだとはおもってますが」
「やるね……その通りさ、その口ぶりからして桐内から話は聞いたみたいだね」
コイツ……そこまである程度の予想をしていた上で僕に春山関連の話を持ち出す様に誘導したな……。
やられた! 彼自身は特に深い話題を提供せずに、僕自身が深読みをして情報を上手く引き出す。敢えて抽象的な表現でぼかすことによって別の情報を自然に吐かせるやり口だ。
「やられましたね。所謂、隠してることがあるよね? 方式での情報入手ですか」
「ははっ! たまたまだよ。そういう風な流れに見えただけさ、それで? 大山君はどう思っているんだい?」
これも、抽象的な発言だ。
良くもまぁ、スラスラと出てくるものだ。
「さぁ、ほとんど聞いていないので何がなにやら」
「聞いているもなにも、オレが春山さんに好意を抱いている。と、言うことに関して大山君の……気持ちを聞いてるだけさ」
な、なんだコイツは……本当になんなんだ? 鳴瀬川君が抱いている好意を僕がどう思っているか?
読めない、そもそも僕に好意はない。ならば、鳴瀬川君は勘違いをしていて、ライバル視をしているのか?
「僕の気持ちと言われても……特にはないですよ」
「面白いな、大山君も! だけどさ、冗談を言うには少々下手が過ぎるかな」
そう言って、鳴瀬川は不意に距離を詰めてくる。
「まぁ……いっか、あれだけの公開処刑をするくらいには春山さん、もしくは夏川さんのどちらかを狙っているからこそ行動に移したんだろうしね」
「善意だ」
「嘘はやめなよ? 春山さんに関連する仲間を助けて本人との距離を詰めて周りを固めるタイプ。もしくは、夏川さんに好意を抱いている」
「どちらもない」
「い~や、二つに一つだね!」
まさに聞く耳を持たず。
こうも決めつけられていているとかなり厄介な相手だ。
だとすればここは……
そんなことを考えていると、スマホが突如として二回程、振動する。
徐ろに確認しようとスマホを取り出した時――。
「おっと……ごめんよ。大山君、悪いけど今すぐその、スマホの電源を落としてね? 後はボイスレコーダーの類もなしだよ?」
そう言って、鳴瀬川に圧をかけられる。
あの日、大音量で流した動画の件で、僕がそう言った類の行動をすると読んでの予防線か……。
「わかったよ、スマホの電源は落とすよ。後、ボイスレコーダー関係はないよ」
そう言って、両手を上げて鳴瀬川にボディチェックをさせる。
「ごめんよ、疑う訳じゃないけどさ。こう見えてオレは読モやってるしさ、そういうスキャンダル的なのには警戒してるんだよね」
「いや、別に問題はないよ。後、さっきの質問だけどはっきりと言っておくよ。僕は好意を抱いていない」
あいも変わらず、無表情でソレを告げる。
「ふふっ……無表情でそれをやってのけるか。いいだろう、大山君……いや、大山」
「鳴瀬川君が勘違いをしているだけだ」
「君のポーカーフェイスがオレによって歪むことになるさ」
「はぁ~、めんどくさ……」
「邪魔したね。びしょ濡れな君を引き止め過ぎたようだ、じゃあね。釣り部に春山さんを引き込んだ大山」
そう言って、鳴瀬川君は僕とすれ違う様にして走り去って行く。
「ただの恋慕か、あるいは別のなにかか……。めんどくさ」
一人小さく呟きながら、スマホの電源を入れ直してサインのメッセージを確認する。
【絶品の天ぷらを食べさせて貰ったぜ! 春山の意外な一面がまた、発見できた!】
そんなメッセージと共に、得意げな春山の写真と見事に捌かれて、天ぷらになったキスとハゼに焼き魚となったベラの写真も送られてきた。
なんと言うか、今日は厄日だったのではないかと肩を落としながら、一人……。
とぼとぼと、駅のホームを目指すのだった。
〜高身長イケメンは抜け目ない END To be continued〜
ゆっくり、亀さんもビビった! と、なるくらいにはおそおそ更新にはなりますが、ハッピーハッピーハッピー♪な気持ちを忘れず楽しく更新は行って参ります!
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では、またね!




