寄り道/シャボン玉
『寄り道』
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触れたら恥ずかしいそうに
赤く揺れる夕暮れ
帰り道から逸れた
私には帰る場所はない
ここに今迷子の少女一人
歩き疲れたその足で
別れを更に歩こう
今日限りでバイバイ
私に明日なんていう言葉を掛けないで
来世では変われるかなこんな私
自殺以外でも助かる私を
どうかこの世界に一人だけでも居させて
『シャボン玉』
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ぼくら二人は
夜空にふわふわ浮かぶシャボン玉を
一つ一つ数えていた
生産性もない
無意味な数え歌
ぼくらは飽きることなく続けた
きっと彼女も気付いていた
不連続に続く夢のセカイの終わりは唐突で
呆気ないものだと分かっていた
人と共有する夢なんて
ろくな結末しか待っていない