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いのちの詩(仮題)

乾杯

作者: 浮き雲



わかっているさ、さあ、飲もう


あんたの苦労、知ってるさ


朝は他人より早く来て


夕べは遅く居残って


頑張ってても、要領の 良い奴らには追い越され


気づけば、俺とこうやって 場末の酒を飲んでいる


わかっているさ、さあ、飲もう


何も言うなよ、さあ、飲もう




わかっているさ、さあ、飲もう


あんたの本音、知ってるさ


ほんとは、ここで酒なんか 飲むより、家で団欒を


したいんだよな


でも、誰も いないねぐらが寂しくて

 

気づけば、俺とこうやって ふたりで酒を飲んでいる


わかっているさ、さあ、飲もう


何も言うなよ、さあ、飲もう




わかっているさ、さあ、飲もう


あんたのことは、わかってる


昨日、子犬を拾ってさ


頭を下げて、飼い主を 探してたよな


本当は あんた自身が犬好きで


俺と、こうして酒なんか 飲むより、犬と遊ぶのが


好きなんだろう


さあ、飲もう


いい飼い主で、よかったなぁ






わかっているさ、さあ、飲もう


嬉しいんだろう、わかってる


別れた子ども、高校に 入るんだろう


おめでとう


大人になるまで待っていりゃ きっと会えるさ


もうすぐさ


だから今夜は、遠くから 乾杯しようぜ


さあ、飲もう


なにを言おうが、終わりまで 聞くぜ つぶれるまで飲もう






「乾杯」という題名にしてはみましたが、ロック歌手(?)長渕剛さんの有名な歌のような人生の賛歌的なものではなく、場末の酒場のおじさんたちの傷のなめ合いの風景です。けして、コップを合わせたり、口に出しては言わないのですが、そこには、確かに「乾杯」があります。

実は、悲しいことに酒類が、体質的に飲めません。コップ半分のビールで、すぐに眠くなって、目が覚めれば二日酔い状態で頭痛と吐き気に苦しむことになります。

ですので、それほど場数も多くはないのですが、いざ酒席となれば上戸の方々の聞き役が回ってくる立場としては、できることなら、こんな感じの聞き役を務めてみたいと思っています。

酒の味の違いを云々するような飲み方ではなく、酔えればなんでもいいや的な飲み方が理想です。いまの時期なら、コップ酒におでんでしょうか。

間違っても、若い女性グループや一人飲みの女性は来ない。したがって、そこに群がる野心家の男性も来ない。すなわち、さえない(すみません)おじさんばかりの酒場で、差し向かいでというのが理想です。

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― 新着の感想 ―
[一言] いいうたですなぁ。
[一言] 自分はお酒飲めませんが、 炭酸すら苦手ですが、 この詩を読んで、すてきだと思いました。 なんかかっこいいな、とも。 こういう詩が書けること、さすが作家さんだな、 と思ってしまいます。 あ…
2021/12/30 13:38 退会済み
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