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<常在戦場> ただ君と一緒にいたいから…  作者: 船崎 鯛弥
第一章 昔のこと
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第一話 始まりときっかけ

僕には父さんと母さんがいた。



まぁ、昔の事だからあんまり覚えてないけど…でも確かに覚えているのはあの時はみんな優しくて父さんも母さんも笑顔だった。


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3035年 宇宙はオリジナルを元に4つ作られた。今はオリジナルを合わせて5つある。


僕達は3番目の宇宙の第三中央通信連絡橋があるヘンディア星に住んでいた。



母さんの名前は「アヤ・ベルディー」

父さんの名前は「ヘンディー・ベルディー」

そして僕が「マシュー・ベルディー」



僕は母さんが人間族で父さんがアチュパン族のハーフで産まれてきた。父さんはジャクソン特殊戦闘軍団 第三支部戦闘団の団長に所属していて母さんは家で専業主婦をしていた。


父さんがたまにしか帰ってこないのは寂しかったけど母さんがずっと一緒にいてくれたし三ヶ月に一回か二回帰ってくる日がとても待ち遠しい気持ちでいっぱいだった。



僕は大人になったら父さんみたいにこの宇宙を守る英雄になりたいとずっと思いながら生きてきた。その気持ちは今もあまり変わらない気がする…





そして、悪夢の夜がやってきた


12月の16日の20時頃だった気がする。僕は明日の朝に帰ってくる父さんの為に母さんとケーキを焼いたり料理を手伝っていた。


父さんへの手紙を書いていた時、外から叫び声と銃声が聞こえた。

母さんと一緒に窓の外を見ると…住宅地が赤く燃えていた、、

一瞬何が起きたか分からなかった。唖然としていると玄関の方からドンドンと硬いもので叩く音が聞こえた。母さんは僕を抱いて窓から飛び出してひたすら走って、走って、走った。


怖かった


市場に出ると黒い軍服が赤く染まったおじさんやロボット…鳥みたいな化け物にいつも野菜を売ってくれるおばさんが胸に槍を突き刺されてそのまま焼かれていた。隣のおじさんは首を喰われて中の内臓が出てきていた。

吐きそうになった僕の口を母さんはおさえてまた走った。



30分ぐらい逃げ続けて山の洞窟でやっと落ち着くことができた。

母さんは泣いていた。僕は父さんは大丈夫かずっと心配だった、そして明日やっと会えるのになんで…怖くて涙が出なかった。



母に抱きついて寝て、夜が明けて、朝になった。母さんはこっそり近くの住宅地に入り食料と水を探しに行った。僕が目を覚ますと母が缶詰を持っていてそれを食べた。


食料を探したついでにポータブルラジオがあったらしくて早速周波数を合わせると昨日の悪夢について語っていた。



昨日の悪夢は2番目の宇宙の反社会勢力による無差別テロだったらしく、中央通信連絡橋から別の星や宇宙へ逃げる人でいっぱいいたらしい。

今も渋滞しているが運行していると言っているから母さんと早速行くことにした。




母さんと移動中、変わり果てた街を見て涙が止まらなかった。街市場はあえて通らなかった…


母さんの少し前で歩いてた時銃声が響いた。怖くて母さんの方に走って抱きついた時、僕の頭に温かい液体が落ちてきた…上を向くと母さんの胸のあたりから血が出ていた。


「母さん!!」


と叫んだ時僕の方に倒れてきた。誰かの足音が聞こえる…怖くて母さんに抱きついていると足音が母さんの前で止まった。母さんを持ち上げて僕の事を見ていた…二人いた。

しばらくすると急に殴られた。痛い!やめてっ!と言ってもあいつらは笑いながら殴ってくる。痛い…口から血が出てくる。ゲロも出てきた。

僕もここで死ぬのか…と諦めた時、再び銃声が響いた。二発だった


残された力を振り絞り前を見るとあいつらは倒れていた。目の前には軍服が赤く染まった父さんがいた。泣きながら僕の方に駆けつけてきて僕を抱きしめてただ、「ごめんな…ごめんな…」ってずっと言っていた。

母さんは即死だったらしい。父さんは母さんが持っていた遺品をもちその場に埋めた。僕も瀕死だったことから近くの山とか火葬が出来なかった。





すぐに中央通信連絡橋に行き、父さんが軍人だったこと、僕が瀕死だったことから優先されて第一宇宙へと旅立った。宇宙船の中で治療を受けたがもう僕の体はボロボロだったらしく新しい体が必要らしい。

父さんは最初は反対していたが、僕が死ぬぐらいなら…と最終的には受け入れてくれた。


第一宇宙につくまでに僕は一回記憶データをチップの中に入れて専用のカバーに入れて、魂も専用の機械の方へ入れられた。

もぬけの殻になった僕の体は血液を少し抜き取ったあと、肉体は液体化する薬を打って液体にしてから燃料にされたらしい。


魂だけになった僕は箱の中で昨日のことを思い出していた。目の前で行われる残虐行為、女の人は男の人に犯されていた事…そして母さんが死んだ事…


少し前まで笑ってたんだ、数ヶ月前までは父さんと一緒に笑っていたんだ。僕の友達にも会った、炎で溶けている姿だったけど。




僕はこの時決意した、いつか平和な宇宙で誰かに守られるのではなくて誰かを守る人間…いや、人造人間(バイオノイド)になると…

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