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その00 湖のほとり

「一体誰に似たのかしら」



 イブのアトリエで日課の絵を描きながらの愚痴。

 あの子ったら勝手に衛星兵器を使うとは。


「もうしない」


 その割にはジーナはたまに居なくなる。

 困ったものだ。




 今日も魔王は絵を描く。

 魔王討伐に来たのはユリが最初で最後だ。

 ストビアの()()()()にログインしてるのは今日も自分ひとり。

 固定キャラがいつも通りに動いているだけ。

 あまりにも暇で()()()再度立ち上げた仮想空間システム。






 かつてストビアの警備システムを制圧したあと、イブがそのまま国王になった。



 たったひとりの王国。



 だけど、居なくなる訳にはいかない。

 遠い昔の決議案に沿ってシステムが悪い方へ動くといけない。そうしないと、ストビア要塞はまた、ストビア人以外に攻撃を始める。

 セルゲイが対策を考えているがいつになるかは判らない。

 ストビアの兵器も外にでないようにしなければいけない。このテクノロジーは世界を狂わせるから。

 暇なようで国王の責任は重大だ。








 魔王のアトリエの絵はだいたい雑に壁に立てられている。


 ただ、2枚の絵だけは並べて壁に飾られている。

 ジーナがお土産で持って来た物とかつて自身が描いた男性の絵。



「出来過ぎよね」



 2枚の絵は並べてくれと言わんばかりのデザインとサイズ。

 まるで結婚写真のよう。


 これだけでイブは幸せだった。

 ジンの描いた自身の姿を見た時に、信じて疑わなかったジンの愛が形になって目の前に現れたのだから。

 本人にもう会う事は無い。

 覚悟出来てる。

 これだけで()()()だろうが頑張れる。





 今日も魔王はひとりキャンバスに向かう。






完結

お読みいただき有り難うございました。

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