表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/78

その11 健康の為にウォーキング

 麦農園での遠征訓練を終え、私達は王都に戻る事になった。


 基本食事は自炊、寝所はテントだったので帰る為の片付けが大変だったが、来る時に比べれば食料消費した分、荷物が少ない。

 近隣の農園主に小屋を借りる手もあったが、この時期は刈り取り後の麦が積まれているし、脱穀の作業もしている。借りるのは迷惑だろう。

 なにより、住民に隊の者の顔を見せたく無かった。交流は最小限にとどめた。


 農園の者と交流はなかったが、農園主にザザーンの種を渡して来た。

 余ってる土地で育てて欲しいと。食用には向かないが絶やさず栽培を続けて欲しいとお願いした。

 雑草のように定着してくれれば良いのだが、世話をしなければ駄目だろうか。植えてみなければ判らない。



 帰り道私は歩いた。

 馬も馬車もあったけれど、無理を言って歩かせてもらった。

 兵達は乗る者と歩く者が時々交代する。


 本来なら私は屋根付き馬車の中。だが歩いた。

 私を周囲から見えるようにしたくないとかで、他の兵と同じ姿をさせられた。更にはフードをさせられた。顔が醜い私の事を気遣ってくれてるのか、私の顔を恥だと思っているのかは判らない。

 これだと性別すら判らないだろう。


 歩く事で少しでも鍛えたかった。

 そして、道から見える景色の中にジンがいないかと希望を持っていたのかもしれない。


 暫くすると、エルザが車から飛び降りて来て一緒に歩き出した。なんの対抗心出しているやら。

 しかし、いかにもエルザらしい格好だったので、アーサーに連れ戻され地味な兵服に着替えさせられた。


「おまたせ!」


「別に待ってないんだけど」


「イブがどっか行かないようについていくのよ。アーサーから伝言。川飛び越したり、怪力出したら駄目だって。普通にしてろって」


「そうね」


「それから」

 エルザがびりびりと発信してきた。



『し り と り し よ う』



 練習にはいいかもしれない。


『う ま』

 と返した。





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ