終章
本日連続投稿です。
私立聖順高校には、校内一の熱血委員長、と噂される女子生徒がいた。
金髪で目つきの悪い悪友には「熱い。うざい」と毒を吐かれながらも、生徒や先生からの信頼が厚い彼女は、二年次には当然のように生徒会長となり、様々な学校行事を盛り上げ、学校風紀、校内美化にも努めた。
残念ながら学業においてはそれほど優秀ではなかったが、しかし根性で子どもの頃からの夢であった警察官への道を歩んだ。
ひったくり犯を捕まえ、川でおぼれている子猫を助け、災害時には率先して人々を誘導し、ひょんなことから知り合った養護施設の子どもたちの現状を知り、匿名で寄付などもしたり、実際にボランティアに参加したりと、その功績は何度表彰されたか分からない程だ。
いくつになっても真っ直ぐで直向きで、時折少女のような茶目っ気を見せる彼女は、何故か結婚はしなかった。
曰く、迎えを待っている、のだそうだ。
それが誰なのか、本人も分からないらしい。そんな人を待っているなんて、人によっては阿呆らしいと断じるかもしれない。
それでも彼女は本気らしい。
たくさんの子どもたちと、たくさんの優しい人たちに囲まれて、今日も彼女はしあわせそうに笑っていた。
これにておしまいです。
彼らの今後は、皆さまの脳内で。
最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。