起承転結を無視しよう!
個人的見解も多く含むので、絶対とは言い切れません。
あらかじめご了承ください。
物語の構成には『起承転結』というものがあります。
四コマ漫画が、その代表的な一つですね。
しかし、これを守った作品が、必ずしも良い作品とは限りません。
むしろ順序を入れ替えることで、物語を魅力的にしている作品も多くあります。
簡単に一つ、例を挙げてみます。
起)タロウが朝、いつものように起きた。
承)時計が壊れていて、慌てて出発した。
転)交差点で、トラックが突っ込んできた。
結)死んだと思ったら、異世界にいた。
というような、異世界モノの第一話があったとします。
さて、これをそのままの順序で読み進めて、面白いでしょうか?
ここでは簡潔にまとめていますが、もし『起』の内容が『タロウが起きて、顔を洗って、歯を磨いて、着替えて、朝食を食べて……』というような日常シーンだったら、その先の展開に興味を持てるでしょうか?
おそらく、ここで読むのをやめてしまう人も多いと思います。
特にネット小説は無料で読めるモノですので、わざわざ買った小説と違い、興味がなくなったら簡単に途中でやめることができます。
しかし、これのスタート地点が『結』だったら、どうでしょうか?
いきなり異世界のシーンから始まり、『どうしてこんなことになったのか思い返してみよう』というような回想で『起→承→転』と進み、最後にスタート地点に戻ってきたら、どう思うでしょうか?
おそらく、スタート地点でやめてしまう人は少ないと思います。
もし『起』の内容が上のモノと同じだったとしても、この先にある展開を知っていると、読者は安心して読み進めることができるものなのです。
と、このように、時系列として『起承転結』を考えることは重要ですが、その見せ方には様々な方法があります。
もちろん、『起承転結』の順序通りに見せたほうが良い作品だってあります。
ですので、どういう方法が一番、自分の作品を魅力的に見せることができるか。
読者を飽きさせないためには――そして、最後まで読んでもらうためには、こういった工夫も大事になってきます。