人称を決めよう! 追記あり(2015.11.01)
個人的見解も多く含むので、絶対とは言い切れません。
あらかじめご了承ください。
また、ここでの『人称』の説明は、かなりざっくりとしたモノです。
しっかりとした知識の上で書きたい方は、専門書やなろう内の他の小説講座を読むことをオススメします。
小説は、地の文(会話文以外の部分)の書き方によって、三つに分けられます。
それは、『一人称小説』と『二人称小説』と『三人称小説』の三つ。
ただし、『二人称』はかなり特殊なので、ここでは説明を省きます。
また、『三人称』の中には『神視点』や『多視点』と呼ばれる種類もありますが、こちらも初心者の方には少々扱いが難しいので省略。
というわけで、ここではなろうでよく使われている『一人称』と『三人称(単視点)』について、説明していきたいと思います。
★一人称
例:
耳元で鳴り響く目覚まし時計の音で、僕は目を覚ました。
うう、眠い……。もうちょっとくらい寝ても大丈夫じゃないか?
一瞬そんな風にも思ったが、今朝は大事な予定がある。
仕方なく、僕は重たい体を起こした。
主人公視点で進む物語を『一人称』と呼びます。
地の文に『僕』や『私』というような主語が出てくるタイプですね。
イメージで言うと、実際の運転席の画面でプレイするレーシングゲーム。
これを選ぶメリットとしては、非常に書きやすいこと。
何をした・何を思ったなど、自分が主人公になったつもりで書けば、それがそのまま小説となります。
また、『地の文=心の声』となるので、読者の共感を得やすいのも魅力の一つです。
ただし、デメリットもあります。
それは、設定の説明が不得意なところ。
日常生活において『僕の名前は~~』とか『僕の学校は~~』なんて、わざわざ心の中で思うこと、普通ありませんよね。
しかも、それが連続するとなると、説明している感がより一層強まってしまいます。
ですので、そういった説明を会話文に取り入れるなど、工夫が必要となってきます。
★三人称(単視点)
例:
小さな部屋に鳴り響く目覚まし時計の音。それで、タロウは目を覚ました。
まだ眠い。もう少し寝ていたい。
そんな誘惑に駆られるが、今朝は大事な予定がある。
彼は重たい体を、のそりと起こした。
主人公から少し離れた視点で進む物語を『三人称(単視点)』と呼びます。
地の文に『人物名』や『彼』というような主語が出てくるタイプですね。
イメージで言うと、車を少し後方から撮影したような画面でプレイするレーシングゲーム。
これを選ぶメリットとしては、万能性。
少し離れた位置から全体を眺めることができるし、主人公の心情を描くこともできる。
また、設定の説明も得意なので、プロアマ問わず広く使われています。
しかも、デメリットと呼べるようなものはほとんどありません。
ですが、注意しなければならないポイントが一つだけ。
それは、主人公が分からないこと・知らないことは書いてはいけないこと。
あくまでも主人公が中心ですので、相手の気持ちや見えない場所のことなどを書いてしまうと、一気に視点が崩れてしまいます。
と、以上が、なろうで一般的に使われている『一人称』と『三人称(単視点)』でした。
自分が書こうとしている作品の内容をよく考えて、どちらか選んでみましょう。
また、ある程度慣れてきたら、『神視点』や『多視点』に挑戦してみるのもいいかもしれません。