見慣れない
俺は見慣れない天井、見慣れない部屋に寝ていた。
「…頭が痛ぇ…。…また飲み過ぎたか。」昨日の夕方から、色々ありすぎて
二日酔いの頭痛が酷いらしい。
「おーい。起きたか??開けるぞ。」
扉の向こうから聞こえる声の主は、はっきりと覚えている。
「あっ。大丈夫です。」と返事をして、ベッドに腰掛けた。
ガチャリと、ドアを開けて入ってきたのは、トシユキさんだった。
「おはよう、マサヤ君。君、酒弱いのか?相当、酔ってたみたいで、ここで仮眠させる。って言われてさ。因みにここは、Barの2階にある仮眠室。」
と言い、持っていた水の入ったコップを差し出した。
「ありがとうございます。そうなんですよ。お酒好きなんですけど…。弱いのもあるんですけど、あの人弱いの知ってて毎回潰れるまで、飲ますので…。」
「成る程。あはは。あの人らしいな。成人に成りたてのユウに、『飲まないと、お酒は、作れない』って、言って飲ませて、酒強くさせたからね。」
やれやれ、と言いながらも懐かしそうに話していた。
「昨日、1日大変だったろ??
今日はお店休みだし、新しい仲間を追い出す事はしないからさ、ゆっくりして行くといいよ。1階にユウがいるから、腹へったらユウに、朝御飯作って貰うといいよ。」
そう言ってドアに手をかけた。
「話伝わってたんですね…。早いな。 じゃあ下行ってみます。」
「じゃあ、オレも後で下行くから。」そう言ってトシユキさんは仮眠室から、出ていった。
俺は腰掛けたベッドにまた、倒れこんだ。
「そうか…。ここが今度の仕事場…か。って、言うか頭…まだ、痛ぇ。もうちょっと、お酒強くならなきゃな…。」
そう言って俺は天井をまた見上げた。