理由。
「やっぱりここはいいな。」
馴染みの居酒屋に来て、カズヒコさんは、席に着くなり生ビールと適当なつまみを注文した。
「ほら、お前も好きなの頼め。 奢りだ。」そういって、メニューを渡されたがBarで呑んだおかけで、腹は空いてない。
「さっき、呑んでたんで俺…」そう言いかけた途端
「あっ。店員さん後、焼酎のロックで。」と勝手に頼んでいた。
「勝手に頼まないで下さいよ!!」と、俺が文句を言うと
「まぁ。潰れたら介抱は、してやるから呑め。」とニヤリと笑った、
「解りましたよ…。」と呆れた頃に
メニューが運ばれてきた。
料理が揃い、カズヒコさんが口を開いた。
「お前が聞きたいのは、『どうして、俺をBar に入れようとするのか?』だろ?『演技の幅を広げる為』と、『お前の料理の腕を見込んで』これじゃあ、駄目なのか?」
と言い終わると、ビールを飲みはじめた。
「まぁ、それが理由ならいいんですけど。」昔からこの人は、そうだ。思い付きで行動を起こす人だったのを、忘れていた。
「それと、俺とユウの二人だと、フードメニュー頼まれると、ドリンクの提供遅れるから料理の上手いお前に声かけた。ってのもあるけどな。」
「俺、パスタ屋で働いてたんで、基本的にパスタ系しか作れないですよ?」
「ユウがパスタメニュー考えてた所だから、丁度いいんじゃないか? 夕方に言ってただろ。『試作メニューの材料朝御飯に使われた』って。」
そういえば、料理作るの好きって昔言ってたな。
「勤めないって、いうならアドバイスだけでもしてやってくれ。」そう言って、ビールを飲み干した。
「…で。どうするんだ??」と、急に真剣な表情で、俺に聞いてきた。
「興味はあるんで、バイトっていう形ならいいかな?って、思ってますけど。」俺は正直に話すと、目の前にある焼酎を飲んだとき、
いつのまにか注文されていた、ビールが届き、カズヒコさんが、ビールを受け取った
「Bar pomegranateへようこそ、マサヤ。 これから、ヨロシクな。」
と、飲みかけの焼酎と、届いたばかりのビールで乾杯をした。