ファジー・ネーブルとカミカゼ
時間が遅くなるにつれて、忙しさも一段落してきたので、本格的にキッチンへ戻ることにした。
「…ネーベル。どこかで聞いたことある気がするんだよな…。」
と、俺は呟きながら
たまったグラスを洗いながら、考え事をしていた。
「他はなんて、言ってるか微妙に聞き取れたぐらいだしな…何語かも解らないんじゃなぁ。」
うーん。と悩んでいると、
「戻ってきてから、何だか悩んでるみたいだな??」と、カズヒコさんと後ろから肩を叩かれた。
「ただ、考え事してるだけなんで…。あっ!!
もしかして、カズヒコさん知りませんか?? ネーベルって何だか。」
と、俺が聞くと
「あぁ。Nebelか。マサヤも聞いたことあるし、知ってると思うぞ。」と、
笑顔で言うだけでカズヒコさんは、教えてくれなかった。
「ねぇー♪マサヤくーんっ。これオーダーよろしくね♪」と、
オーダーが書いてあるメモを、マキさんが持ってきた。
「あとさぁー。考え事するのは、イイけど、眉間にシワよせちゃだめだよ♪
せっかくのイケメンが、台無しだよ♪」
と、ウインクをしてマキさんは、フロアへ戻っていった。
「そんなに眉間にシワよって考えてました??俺??」と、カズヒコさんに聞くと…
「大分、眉間にシワ よってましたよ。 それと、ファジー・ネーブルとカミカゼ 追加で。」と、ユウがマキさんと入れ替わりで、キッチンへやって来た。
「オーナー。もう、26時でラストオーダー前なんで、おれも飲んでいいですか??」と、ユウがニヤリと笑った。
「それで、カミカゼついでに頼むのは、トシにも飲ませよう。って、作戦だろ??」と、ニヤリとカズヒコさんも笑った。
こう言う時、カズヒコさんとユウは分かりやすく、結託をする。トシユキさんに怒られない様に。
「2人とも、キングさんに怒られない様に、してくださいよ?」
と、俺が釘をさすと
「今日のキングだから、なんですよ。あのモードじゃ、たぶん断らないでしょうし…。じゃあ、オーダー作り終えたら、おれ持っていくんで。」と、ニヤリと笑ってカウンターへ入って行ってしまった。
「イベントだから、許してくれるだろ。トシも。 それに、ユウが注文した分はユウのツケにしておいてくからな。
溜まったらアイツの給料から引くって、約束になってるから。 後は、キッチンよろしく。」と、俺に言うとフロアへ出て行ってしまった。
本当に、個性が強すぎるな。
この店の従業員は…。
そんなことを、思いながら
7周年のイベントは終了した。




