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Bar pomegranate  作者: 裕澄
30/48

イベント当日

ミーティングから1週間しか準備期間が無く

俺達は、準備に追われていた。

グッズとして売り出す写真の撮影 常連のお客さんへの案内メール 特別衣装手配や、細かい準備を通常営業の合間にこなして、皆さんが忙しい中

俺はと言うと撮影以外は、

『イベントまでに、簡単なカクテルはしっかり作れる様に練習しておいて、下さい。』とユウに言われただけで、あまり役立つことはしていなった。

しいていえば、マキさんの特別衣装候補の、ピンクのメイド服をユウと一緒に阻止した位だ。

「『いつもの格好以外なら何でも、いいです。』って言ったじゃんっ!」と若干マキさんが機嫌を損ねたり、ユキコさんが店に顔を出す機会が増えたりと、

相変わらず、Bar pomegranateここは、騒がしいというか…賑やかと言うか…

何だか、学園祭の準備みたいな雰囲気だった1週間が終わり、遂に7周年のイベント当日がやってきた。


開店1時間前には、メンバー全員集まって、最終準備などを始めた。

そうこうしている間に最終ミーティングの時間になった。


「みんな、この1週間準備ご苦労様。」

とカズヒコさんが喋り始めると、全員

衣装は着て居ないにも関わらず、さっきまでの、にこやかな雰囲気とは変わって

仕事(ON)モードに切り替わった。

「毎年この日になると言ってるが、みんなが居なければ1年間 続けることは出来なかった。そして、今日から正式なキャストとして、加入するマサヤは、知ってるとは思うが… マジメで飲み込みも早いから、どんどん色んな事を任せてやってくれ。 今日は1日大変だとは思うが、よろしく頼む。」と喋り終わると


「今回は、いつもより企画提出が、遅くなりすみませんでした。 皆さんのご協力もあって、無事この日を向かえられたこと感謝します。今日1日よろしくお願いします。」と、ユウが会釈(えしゃく)をした。


「オレからは…折角(せっかく)、グッズを作ったんだから赤字にならない様に”販売促進”してくれ。 これだけだな、今日はよろしく。」と、トシユキさんは、人差し指でメガネを持ち上げた。


「ウチからは、とくにないわ。いつも通りでええんちゃうの?」と、若干気だるそうにユキコさんが続け

「ワタシからは〜♪衣装をお楽しみにっ♪かな? で、マサヤくんからは?」と、おどけた挨拶をしたマキさんに話をふられた。


「俺から…ですか? 改めて…。今日からよろしくお願いします。 正直ミニイベントについて、聞いて無いんで少し怖い気がしますけど…。」というと、ユウがニコリと笑った。



全員が、衣装に着替え終わると

「もう時間だな。待ってるお客様のお出迎えだ、入り口に並ぶぞ。」と、オーナーの合図で、全員入り口へ向かった。



開店時間と共にドアが開いた…



「いらっしゃいませ。Bar pomegranate(パーマグラネット)へ」

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