イベントミーティング
初日の勤務から、約1週間
今日は休みだけれど、ユウから
【7周年のイベントについて、話があるのでミーティングの日は、全員参加でお願いします。 イベント担当
ユウ】という、メールで俺が荷物を届けたあの日以来、全員で集まることの無かった、Bar pomegranateのキャストが勢揃いすることになった。
前日勤務のトシユキさん ユキコさん 俺マサヤ の3人は集合時間の昼過ぎより前に着いていた。
それにしても、やはりユキコさんは夜型なのか、若干機嫌が悪そうだ。
フロアのテーブル席で、他愛ない話をしていると、
「で、呼んだヤツが先に来てへんって、どういう事やねん。…なぁそう思わへん?? マサヤ。」と、ユキコさんが俺に話しかけてきた。
「ですね。」と俺が答えると、
集合時間ギリギリに、勢いよくドアが空いた。
「すみませーん。遅れましたっ!!」と、マキさんが慌てた様に入ってきた。
「大丈夫だ。…と言っても、集合時間ギリギリだけどな。
まだ、オーナーとユウが来てないんだよ。」と、トシユキさんが言うと、
「めずらしーね。ユウが遅刻なんてさ。こー言う時必ず早めに居るのに。
おれに『イベントの協力してください。』って、色々協力してるんだけどさ。」と、もう何かマキさんとは、イベントについて話していたみたいだ。
そうやって5分ほど話していると、ドアがゆっくりと開いてそこには、
オーナーとユウが居た。
「すみません。遅れました。って、遅刻魔のマキさんが遅刻してないなんて、珍しいですね。」と、悪びれる事無く
俺達の座っているテーブルの隣の席に、荷物の入った大きなリュックを置いた。
「すまんな。ちょっと打ち合わせが、延びてな。」と、カズヒコさんが言うと
「おれも、そんな感じです」とユウがニコリと笑った。
「ユウ、お前。呼んどいて、遅れてるんやから、ちゃんと説明せーよ。」と、ユキコさんがイラついているみたいだ。
「…すみません。各所に連絡してたら、遅れました。」と、いうと
「そこまで、大々的にやるんやったら、ええ企画なんやろ?」とニヤリと笑った。
「オレの台詞取られたな。で、どんな企画なんだ??」と、トシユキさんが援護射撃の様に話を進めていく。
「えー。企画の方なんですが…先に企画書を簡単に纏めたもの、渡しますね。」と、カズヒコさん以外の4人にプリントアウトされた、資料が配られた。
内容を読むと
【7周年イベントは、 普段とは違った衣装で、お客さんを迎えて接客する。 そして、俺の加入イベント。】らしい。
「まず、男性陣ですが。
オーナーは、いつもよりキッチリした、バーテン風 トシユキさんは、もう少し派手めのホスト風です。」
と、説明が始まった。
「オーナーに関しては、今の制服をキッチリ着崩さずに、着て頂ければOKです。」
「それ、一番楽だけど一番難しいよね?」と、マキさんがポツリというと、
「ですけど、そこはちゃんと着てもらいますから。」と、ユウはカズヒコさんに向かって笑顔で言った。
「で、マキさんは…正直女装で、いつもの格好以外なら何でも、いいです。
…あっ。トシユキさん。もし衣装手配出来ない様なら言って下さい。こっちで手配するんで。」
「あぁ。頼むよ。」と、トシユキさんは短く返事をした。
「ねぇ。おれに対して適当すぎないっ!?」と、マキさんが大げさにつっこんだ。
「…で、マサヤさんですが、加入がマサヤさんのメインイベントみたいな、物ですから、いつも通りの制服にちょっとアレンジ、加えます。」と、何事も無かったかの様に、話は進んでいく。
「…いいもん。おれ、超可愛い衣装用意するから。」と、相手にされずマキさんは、イジケはじめた。
「で、続いては女性陣 おれとユキコさんですけど…。ユキコさん、和服でお願いします。向こうで着てるのでいいんで。 で、おれは、執事風衣装になります。」と、
マキさんをお構い無しに、話はまた、進んでいく。
「衣装は、なんでもええけど。この【写真等のグッズ販売予定】ってなんなん??」と、ユキコさんが聞くと
「折角だから、写真売って黒字を増やそうかって、オレが言ったんだ。」と、トシユキさんが、補足の説明をした。
「なんや、トシの差し金か。ホンマに、そういうことは、よう考えるな。」と、マキさんがいうと、
「カメラマンとかの、手配はマキさんに仲介して貰ってますが、腕いい人みたいなんで、クオリティーは、高くなりますよ。」と、ユウが言うと何故かマキさんが、誇らしそうだ。
「まぁ。後は、正式にマサヤさんがキャスト入りのミニイベントやる位なんで、あとは、各自確り読んでおいてください。
おれからは以上です。」と、ユウが締めると、
「じゃあ、俺からは、今週もいつも通りによろしく。って事で、ミーティング終了だ。」と、カズヒコさんの緩い連絡事項は、終了した。
イベント、
大変な事にならなければいいな…。




