キングより伝言
俺がキッチンに戻って洗い物をしていると、
「あーぁ。やられたなぁ…当分、戻れそうに無いなぁ。」と、オーダーリストを確認しながら、ユウが戻ってきた。
「あっ。マサヤさん、すみません。洗い物はおれが、後でやるんで追加オーダーお願いします。」と、ホワイトボードにオーダーのメモを張り付けた。
「大丈夫ですよ。皆、簡単なカクテルオーダーしてくれてますし…。ピンチヒッターを連れてきますから。じゃあ、呼ばれてるので、おれ行きますね。」と、笑顔でフロアへ戻って行った。
「それにしても、凄い量だな。 まだ、作った事無いのもあるし…。」オーダーのメモを眺めていると…
「…見てるだけじゃ、オーダー消化は出来ないぞ。マサヤ。」と、声のする方に振り向くと、カズヒコさんが居た。
「ピンチヒッターって…カズヒコさんですか?」と、俺が驚いていると
「…あぁ。流石に、トシに怒られるのは、俺も勘弁したいからな。」と、深いため息をついた。
「怒られないなら、お客さんとしてフロアに居たんですね。」と、苦笑いすると
「オーナー。『早く着替えて来て下さい。フードメニューもたまって来る時間帯なんで。』とキングより伝言をお預かりました。」と、オーダーのメモを持ってきたユウが、キングさんのマネをして伝言を伝えた。
「…オーナー。早く着替えて来て下さい。作れる範囲で、頑張っておきますから。」と、俺が伝えると、
「…悪いな。マサヤ。」と、颯爽とフロアへ戻って行った。
「颯爽と、戻って行きましたね。…ナイスです。おれ達まで巻き添えで、怒られますからね。」と、カズヒコさんが戻って行く様が、面白かったのか、笑っている。
「ユウも、フロア戻らないと怒られるぞ。多分。」と、オーダーメモを確認すると、
「…ですね。マサヤさんの事聞きたい子達待ってるんで、行ってきます。」と、フロアへ戻って行った。
簡単なオーダー品を作って居ると、
制服に着替えたカズヒコさんが戻って来た。
「よし…。やるか、マサヤ。たまってる分片付けたら、上がっていいからな。」と言うと、オーナーはテキパキとカクテルの準備をし始めた。
「いいんですか??分かりました。」と、俺は返事をすると、オーナーの隣に並んでカクテルを、作り始めた
オーダーのたまってる分も、作り終わると…
着替える為にキッチンから続く、階段で2階に戻って私服に着替えて、長い初出勤の1日が終わった。




