こうなるって、予想した上で
「あの言い方だと…。18時30分までには戻って…来ないな…。きっと。」
と、2階への階段をみてポツリとつぶやくと
「良く分かったな。マキは開店準備となると、すぐサボりたがるんだよ…。」と、トシユキさんは、ため息をつきながら俺の左肩に手を置いた。
「…ご苦労様です。俺店の皆さんに、ついていくのでやっとですよ…。」
と俺もため息混じりに返すと
「でも、本当に助かるよ。マサヤ君みたいな話の解って、周りも見ることのできる人材は。
さてと…。ユウは、期日前、マキは2階に居る…。俺と一緒にやるか。開店準備の清掃作業。」と半ば諦めたような言いぶりで、俺を見てきた。
「…こうなるって、予想した上で、あの時間に俺を呼んだんですよね?」と、返すと
「やっぱりバレたか。仕事をしっかりやってくれる奴が少ないからな。」とニコッと笑った。
「そりゃあ、バレますよ。あからさまですよ、ここまで言われると。」と俺が返すと
「そうだ。掃除するから、一旦それ脱いだ方が良いぞ。新人が、客前に汚れた服で出るって言うのは、あり得ないからな。」と言われ着替えてから、今の今までこの格好だったことをすっかり忘れていたらしい。
「ほら。行ってこい。18時15分までに掃除終わらせなきゃいけないからな。」と今までとは、少し違うONモードのトシユキさんの指示だった。
俺とトシユキさんが清掃作業を終える頃になると、
マキさんと、ユウが それぞれONモードの衣装とメイクに変わっていた。
「マサヤくーん♪準備おっつかれ~♪ワタシの分までやってくれたの~?」と、ロングヘアのウイッグ、女性のようなメイクをして、キラキラしたワンピース風の衣装を身に纏ったマキさん、
「…相も変わらず、わざとらしいですね。ただサボってただけじゃないですか。おれはマキさんと違って、ちゃんと仕事してましたから。」と、ホスト風の衣装に着替えたユウが、戻ってきた。
「二人とも、更衣室、空いてるんで。」
とユウが店用のタブレットを操作しながら、教えてくれた。
「オレ達も着替えるか。オーナーは来そうに無いから、オレ達が戻ってきたらミーティングして、開店するぞ。…じゃあ行くか、"マサヤ"。」という、トシユキさんに「はい!」と返事をすると、俺達は2階へと移動した。




