表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Bar pomegranate  作者: 裕澄
18/48

"楽しませる為の嘘"

「…カズヒコさん(あの人)なら…そうだろうな。でも、そんな事させないだろ??指導役が、お前(ユウ)だからな。」と、ニヤリと俺が笑うと

「さーて。それはどうでしょうか??指導役が、"マサヤさん(センパイ)の知ってるあたし"じゃなくて、"Bar(ここ)のおれ"かも知れませんよ??」とまた、いたずらっ子の様な笑顔だ。

「でも実際に、そんな難題は出さないだろ?? そんな、難題を出すのはカズヒコさん(あの人)だけで、充分だよ。」と、ウーロン茶を飲み干した。


「確かに全く、その通りです。少なからず"おれ"でも"あたし"でも、下戸(げこ)の人間を上戸(酒好き)にするつもりはありませんから。でも、"おれ"がマサヤさん(センパイ)に甘いと、怒る人が居ますから…ね。…トシユキさん?」と、ユウが言うと

いつの間にか来ていたトシユキさんがコチラをドアの前で立ちながら聞いていた。

「まるでオレが、後輩(お前)に優しくないみたいな言い方だな。」と

俺たち二人の座っているテーブル席まで、歩いてきたトシユキさんは俺の肩に手を置くと、

ON(仕事モード)のオレや、ユウ(コイツ)は、あまり信じない方がいいかもな?

特に客の前では"楽しませる為の嘘"をと平気でつくからな。何処(ドコ)までが、"嘘"かしっかり見極めろ。…って所だな。まぁ、肩肘張らずに頑張れよ。」

と、ユウ持ってきたバインダーをペラペラと、めくりながら話しては居るが、

どこか真剣なトーンで話すトシユキさんを見て、俺の中で緊張が高まった様な気がした。

「…トシユキさんの方が、タチ悪いですよ? 軽い脅しじゃないですか??あーっ怖っ。

まぁ…。マキさんの"嘘"(女装)も気付けない人ですからね、マサヤさんは。気を付けて下さいね? 特に

トシユキさん(この人)にはね。」と、わざと怖がって喋っているが、きっとこれが、ユウとトシユキさん(この二人)の日常なんだな。と感心してしまった。

「まぁ。マサヤ君を怖がらせても、何も始まらないからな。ちょっと待っててくれ。」と、言うと2階へ上がって行くと、ユウがポツリと

「あぁやって、言って(脅して)ますけどトシユキさん(あの人)嬉しいんですよ。まともな後輩が入ってくれる事がね。」と言い終わると、トシユキさんが2階から大きめの紙袋を持って戻ってきた。

「…やっと気づいたか。ユウ(お前)がまともな後輩じゃないって、事が。マサヤ君、コレ。ここの制服サイズは合ってると思うけど、1回着てみてくれるか??2階の仮眠室の横にある、更衣室にマサヤ君用のロッカーも準備してあるから。」と、

俺へ制服の入った紙袋を手渡した。

「それと…ユウ。お前は、ホームページの更新と、来月の7周年イベントの企画、カズヒコさん(オーナー)に出す用の企画案まとめとけよ。

早急にな?」と、テキパキと指示を出た。

「りょーかい。」と、さっき片付けたリュックの中から、パソコンを取り出し作業をはじめた、ユウをみて俺は2階の更衣室へ向かう為に、2階へ上がる階段を登って行った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ