秘密とパスタ
「そう言えば今何時だ?」
と、腕時計に目をやると腕時計は、12時30分と表示していた。
「こんな時間なのか!…どれだけ寝てたんだよ。俺…。」
そう呟いて、仮眠室のドアを出て下へ降りてみる事にした。
廊下に出てすぐ、階段が見つかり降りてみると、
マキさんがカウンターに座り、キッチンスペースにいるユウと、話していた
「おはよ♪ 新人くん ここ座りなよ。パスタ食べよ♪」と隣の席を進めてくる。
隣に座ると
「ユウ~。マサヤくんの分も追加で!」とキッチンにいるユウにオーダーをした。
「りょーかい。ちゃちゃっと作るからちょっと、待っててくださいね。」
とキッチンから返事が返ってきた。
間が持たない俺は、質問をしてみることにした。
「マキさん。お店が休みの時って、いつもこんな感じで、ユウが居る人のご飯つくってるんですか?」
と、コップを探しているマキさんに聞いた。
「いや。最近フードメニュー開発の為に作ってるのを、勝手に食べてるだけ♪ ねぇ~!ユウ。長いグラス何処だっけー?」と、言うと色んな所の扉を開けている。
「…だから。コリンズ・グラス は、カウンターの下にありますって。…因みに、氷はサーバー横ですよ。」
と、少し呆れた声で答えていた。
「あったぁ~!! 氷入れてっと。マサヤくん。ウーロン茶でいい?」と、冷蔵庫の中からウーロン茶のボトルを出し注ぎ始めた。
「あっ。はい。」と答えると、ウーロン茶が差し出された。
「二人とも、できましたよ!」と腰エプロン姿のユウがキッチンスペースから、出てきた。
俺と、マキさんの前にある紙ナプキンの上にフォークとスプーンを置いくと、またキッチンに戻り二人分のパスタを運んできた。
「《キノコとベーコンの和風パスタ》食べてみて下さい。」と、目の前に出されたパスタは、売り物に出しても良いような、見た目をしていた。
「美味し~っ!!今回のいいんじゃない??」と、どんどんマキさんは頬張っていく。
「毎回そのリアクション困るんですけどね…。美味しいのは、有り難いですけど。」と若干呆れている。
そんな二人を見つつ、一口食べてみると、確かに美味しい。
「…美味しいよ。」と言うとすかさず、ユウは
「…その間は、『良いけど少し気になることがある』って、感じですね?」と鋭い所をついてきた。
「あはは。バレてたか。『もう少し、ベーコンの塩気が無い方が俺は、好きかなぁ。』ってさ。」と、苦笑いしながら言うと
「やっぱりそうですよね。塩抜きした方が、良かったかぁー。
この人毎回食べてる割りに、『美味しい』以外のコメント言わないんで、有り難いです」とニッコリと、笑った。
「さーてと。あたしも、折角だから食べますか。」と、キッチンに戻り自分の分のパスタを運んできた。
「そーいえば、マキさん。いつまでそのキャラ貫くんですか?? キャストにまで、キャラ作ってると面倒くさく無いですか?」と、食べながら話始めた。
「…マサヤさん。気づいて無いんですか?」
「ん?気づくって何を??」と俺が聞き返すと…
「秘密♪ 料理でも隠し味って言う、秘密があるでしょ?それと、一緒だよ」と、マキさんがニコリと笑った。
「…はぁ。マキさん…意味分かんないですよ。 …忘れてました。案外マサヤさんが、気づかない人だってこと。」と呆れられているようだ。
「…この人。男ですよ。いわゆる女装男子って、ヤツです。」
「…えっ?? マキさん男なんですか!?」と俺が言うと、ユウが大爆笑をした。