黒の軍師
初投稿です。他の小説読んでいるうちに触発されました~。ではどうぞ
三国大乱と呼ばれる時代、人は多種多様に乱立し、小国が栄えては消え、亡国盛衰が当たり前の今は昔の物語。永の間に栄えた三国があり。
一つ、鉄と馬に支えられた戦場の国、名をグラスシャール。
一つ、農耕と技術の興国、大陸随一の人口を誇るギャバロン。
一つ、商業と海運、女神の膝元と名高いハルポス
そして周辺に興る小国家群、幾多の部族、それぞれが大国に寄る辺を求め、利と覇を競うそんな時代。この物語の始まりはグラスシャールの最北端、ガイセンの街、後に『太黒の街』と呼ばれるところからである。
朝には遅く、昼には早い時間帯、ガイセンの街の中央を貫く大通りを一人の女性が肩をいからせながら歩いていた。
女性の特徴を上げるなら、目に引くのは腰まで伸びる赤髪で、馬の尾のように頭の上でまとめた髪が下がっている。目元は初対面にはまずキツい、言葉を隠せば、稟とした印象を受ける。背の高さは周囲の者たちより頭一つ高く、服装は胸に徽章の入った赤色に染めた胸当てに籠手、脛当てなども赤一色に統一して、帯剣している鞘も赤と言う出で立ちに周囲の者は奇異の目を…向けていない。良く見ると周囲には同様な赤一色の男性、女性問わずいるようである。
女性は構わず歩き続けていると、前からすれ違いに歩いてくる恰幅の良いおば…ご婦人が挨拶を交わす。
「おや、ハルカちゃん。今日は明け番かい?」
「ええ、昨日が詰め番だったから、今日は明けなの。今帰り。」
ハルカと呼ばれた女性はそう返すと、手をヒラヒラと振り替えしては苦笑いを浮かべた。
「でも、ワンおばさん。19にもなってちゃんはないでしょう。」
「そうだね。泣く子も黙る『赤剣隊』の副長なんだから、ついこないだまでのハルカちゃんと比べちゃ悪いってもんだね!!」
と豪快に身体を揺すりながら笑い出す。
「まあ帰ってしっかり身体を休めておくれよ。」
「ええ、今日は帰って休んでおくわ。じゃあまたね。」
そう言って別れて歩く。その後も街の人達、何人かから声を掛けられるねはハルカの人柄を表している。ハルカは大通りから一本中に入った二階建ての石造りの建物の前で立ち止まると、建物の軒先に種別を表す旗がかかっていないのを確認すると、入口の木のドアを押して開いた。