序章・・・静寂の深夜
この物語は執筆中のものです。
また、定期的に更新されない場合もあります。
時刻は夜12時を過ぎている。
「今日も疲れた。」
いつものようにベットに入った。今日も体が重い。
それもそのはずだ。近頃は小説の締切に追われていて寝る暇も無かった。
明日までに完成させなければならない話があるのだが、
最後のシーンがなかなか上手くかけない。どうもしっくりくる終わり方にならないのだ。
「明日には良いアイディアが浮かぶさ」
ベットの中で自分に言い聞かせる。
そもそも、こんな仕事受けるのでは無かった・・・
一日十二時間以上、休日無しで書き続けてやっと、締切ギリギリに完成しそうな状況。
しかも、これだけ働いても入ってくる印税は微々たるものでしかない。
普通の会社員だったら雇い側は労働基準法違反。
でも、そんなの関係ないのがフリーの小説家、いわば自営業者の悲しいところだ。
そうこうしているうちに、睡魔が襲ってきた。これでも、今日は長い時間眠れる方だ。
静寂に包まれる深夜、外のどこか遠くで草木が揺れる音がする。
あれ? その音がだんだん、だんだん大きくなってきて、
何かが近づいているような感覚に襲われた。
風の音にしては少々おかしいだろう。
窓を開けて確かめてみようとするが、身体が動かない、目も開かない。
疲れて完全に眠っている。・・・はずなのに、音だけは認識できる。
どうしたのだろうか?
最終的に、すぐ横で鳴っているくらいに音が大きくなって、
何かに持ち上げられたような気分になった。