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もしも  作者: 空猫月
7/51

仕事

 リュートと呼ばれるのは居心地が悪くて、なんだか自分じゃないような気がした。

 でも、時が経つにつれ、名前にもなじんでくる。


 与えられた仕事は、掃除・洗濯・虎の世話。たまに、アンのお手伝い。

 どれも、なごみに居た頃にやり慣れていて、難なくこなすことができた。


 私は今、とても幸せだ。つくづく、そう思う。


 なんたって、ご飯がおいしい。腹いっぱい食べても、怒られることがない。

 どれだけおかわりしても「いっぱい食べたね」と食事係のアンが優しく微笑んでくれるだけ。

 それが一番、私を満ち足りた気分にさせた。


 もし願いが叶うなら、同じ食事を国の兄弟と両親に食べさせてやりたい。


 それだけが、唯一の残念なことだった。


 寝床が柔らかい。服が新しい。自分だけの部屋がある。

 王子にしてみれば、すべてが何でもない事。でもそのすべてが、新鮮だ。


 もちろん、布団干しや洗濯物は自分でやらなきゃいけないし、家政婦だから国王のも王子のも大臣たちのだってしなきゃいけないけど。


 それでも、楽しかった。毎日が幸せで、充実していた。



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