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もしも  作者: 空猫月
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名前

 私は今まで『龍』と名乗ってきた。

 名前にとてもこだわった両親がつけた、私の名前。


 一番上の兄が『楼(ろう)』、二番目の兄が『将(しょう)』、三番目の兄が『鈴(れい)』。

 そして、四番目の私は『龍(りゅう)』で、五番目の弟は『壮(そう)』、六番目の妹は『涙(るい)』という。


 私の兄弟は、みんな漢字一文字で一息に言える名前だ。

 そんな“兄弟でお揃い”みたいな感じが、私はとても気に入っている。


 それに、『龍』という名前は伝説にさえなっている生き物からもらったものだ。

 蛇のように長い巨体をくねらせて空を泳ぎ、長い牙と鋭い目つきで人間達を震え上がらせる。時に嵐を呼び、時に洪水を起こす一方で、人々に幸福ももたらす。とにかく、強くて恰好良い神様の獣。

 張り紙でしかみたことのないその生き物は、ずっと私の憧れだった。


 名前を勝手に変えるなんて、私には考えられない。


 ずっと自慢にしてきた大事な名前を、両親が悩みぬいてつけてくれた名前を、この国で勝手に変えるなんて。

 両親を裏切るような気がする。


 でも、この国になじむために私は今日から『リュート』になるのだと。この国には龍なんかいないんだ、よそ者扱いされて辛くなるのは私だから、と。


「そうだろう、リュート」


 国王はそう言って、私の肩に手を置いた。


短くてすみません。

人の名前って、難しいですね!

作者より

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