表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
もしも  作者: 空猫月
5/51

挨拶

 どうでもいいことを考えていると、契約が終わったらしい。

 城までついてきてくれた政府の人は、深々とお辞儀をして部屋を出ていく。

 

 残された私が一人でおたおたしていると、国王は優しく笑ってくれた。


「はじめまして」


 何気ない一言に、底知れぬ何かを覚える。


 私はこれから、この人に仕えるのだ。雇われるのだ。ヘマをしたら、解雇されてしまうのだ。

 そんな風に、モノのように扱われてしまうのだ。

 貰われる不安と捨てられる恐怖がごちゃまぜになって、わけがわからない。


「僕は、国王のゼス。この子は息子で、レントというんだ」

 国王の声が頭の中をすりぬけていく。私は何も考えられない。

「はじめまして。君は、龍というんだよね」

 不意に澄んだ声が響いた。目の前には、にこやかにほほ笑んでいる王子。


「これから、よろしく」


 澄んだ声に、私を覆っていた何かがほどかれていくのを感じた。

 大丈夫だ。出発の前に散々父さんが言ってくれた。大丈夫だ、大丈夫。


 急に肩の力が抜けて、ぺコンとお辞儀をした。


「名前をあげよう」

 静かに言った国王に、なぜだかついていこうと思った。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ