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もしも  作者: 空猫月
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面談

 国王と王子に挨拶をする前、私は真っ先に体を洗われた。


体は池で綺麗に清めてきたし、服だって持っている中で一番シミの無いものを選んだのだけれど、家政婦らしい女性に体を強くこすられ、真新しいワンピースを着せられた。

体はこすられたせいで真っ赤になってしまったけれど、垢でくすんでいた肌は綺麗になり、なにより清潔で可愛らしいデザインのワンピースが嬉しかった。


 私を綺麗にしてくれた家政婦が、実は食事係のアンだったというのは、この国の言葉が話せるようになって知った。


 アンには、それから髪を梳いてもらった。切る暇もなく、腰まで伸ばしっぱなしにしていた髪は切りそろえられ、頭のてっぺんで結ばれた。


 それから私を立たせてじろじろと眺めると、リボンを直したり髪を結びなおしたりして、やっとのことで国王と王子に会わせてもらった。


 大きな部屋で、国王と王子と城までついてきた政府の人が談笑している。

 国王は髭が濃く、存在感がもの凄い。一瞬、クマかと身構えてしまったくらいだ。

そんな国王に比べ、王子は儚げな印象を受けた。色白の肌に切れ長の瞳は、光を放っているかの如く美しい。でもその美しさが、逆に触ったら壊れてしまいそうな印象を与えていた。


 私をそっちのけで交わされる契約を聞き流している時、ふとしたことが目についた。


 それは、髪の違い。


 国王も王子もアンも、髪は黒い。でも、何かが違うのだ。私の髪の黒とは違う、何か。

 きらきらと部屋の灯りに照らされる国王と王子を眺めていて、ああ、そうかと気がついた。


 光に反射した時、この国の人の髪は白っぽく見えるのだ。私の髪は光に反射すると茶色っぽくなってしまうのに。

 それと、もうひとつ。瞳も違う事に気がついた。

 私は黒が少し薄くなったような、茶色がかった瞳をしているのに、国王や王子は宝石のように綺麗な黒。


 同じ人間なのに、一体何が違うのだろうか。


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