33/51
苦悩
私は、死んだ方が、いいのかもしれない。
でも、そんなの、
「ぃ、いやぁぁぁあああああ!!!」
絶叫して、目が覚めた。
目の前には、レ二アさんが立っている。
「何、急に叫びだしたりして」
そう言うレ二アさんが、徐々に徐々に溶けていく。
体の輪郭がぼやけて、肌と髪の色がゆっくりと混ざり合って、ぐにゃぐにゃに溶けていく。
べちゃりと床に落ちたどす黒い液体は、もう一度、人ではない輪郭を作っていく。
「全く、気味の悪い子」
それは、人語をしゃべるには難しそうな口で、はっきりとそう言った。
――気味の、悪い子。
あぁ、頭が痛い。
夢を見たからだろうか。叫んだからだろうか。
妙な脱力感に、私はぐったりと頭を垂れる。
なんだ、この状況。
レニアさんは、この黒猫は、あたしは、王子は、
どうなってしまったのだろう…?
ぐちゃぐちゃと、思考が絡み合う。
自分の意志さえもつかめなくなっていく。
もう一度気を失いそうになっていた時、黒猫が声を発した。
「あんた、安売りの子だろ」




