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もしも  作者: 空猫月
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苦悩

 私は、死んだ方が、いいのかもしれない。


 でも、そんなの、


「ぃ、いやぁぁぁあああああ!!!」


 絶叫して、目が覚めた。

 目の前には、レ二アさんが立っている。


「何、急に叫びだしたりして」


 そう言うレ二アさんが、徐々に徐々に溶けていく。

 体の輪郭がぼやけて、肌と髪の色がゆっくりと混ざり合って、ぐにゃぐにゃに溶けていく。

 べちゃりと床に落ちたどす黒い液体は、もう一度、人ではない輪郭を作っていく。


「全く、気味の悪い子」


 それは、人語をしゃべるには難しそうな口で、はっきりとそう言った。


 ――気味の、悪い子。


 あぁ、頭が痛い。

 夢を見たからだろうか。叫んだからだろうか。


 妙な脱力感に、私はぐったりと頭を垂れる。


 なんだ、この状況。

 レニアさんは、この黒猫は、あたしは、王子は、


 どうなってしまったのだろう…?


 ぐちゃぐちゃと、思考が絡み合う。

 自分の意志さえもつかめなくなっていく。


 もう一度気を失いそうになっていた時、黒猫が声を発した。



「あんた、安売りの子だろ」

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