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覚悟
道端に取り残され、私は一人考える。これって、相当危ないんじゃないか。
今の話からすれば、王子は悪い魔女とされているテンラン家の人に連れ去られたと考えて間違いは無さそうだ。そして、多少誇張があるとしても、あの森へ行って戻ってこられた人がいないというのも事実だろう。
森へ足を踏み入れた人は、命を落としたのか、道に迷っているだけなのか、別の国へ出て別に人生を送っているのか。もし、死んでしまったのだとしたら? それが意味するものは、
「あぁ」
ため息を吐く。
「そんなに、嫌われていたのか」
改めて、自分がしでかしたことの重大さを知った。
国王にこんなに嫌われてしまうなんて。死んでもいいと思われているなんて。
『家庭教師をつけよう』と言ってくれたときの優しい顔と、『レントを連れてこい』と言ったときの厳しい顔。
その二つの間の落差に、私は涙が出そうになった。
「行かなきゃ」
溢れかけた涙をひっこめ、私は固く拳を握る。
テンラン家に連れ去られたのなら、なおさら王子の身が危ない。
助けに行かなきゃ。
拳をぐっと天に突き上げ、
「おっす!!」
と自分にエールを送る。
そうすることで自分を奮い立たせた私は、私はさっきのおじさんやおばさんが教えてくれた方向へと歩き出した。




