表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
もしも  作者: 空猫月
17/51

消失

 それから、私は何事もなく仕事に戻った。

 さぼった理由は言っていない。アンは何も聞かなかった。


「王子の様子、見てきて」

 夕飯の支度の途中、唐突に言われたアンの一言に、自分でも笑ってしまうくらいビビってしまう。

 それでも

「分かった」

 とだけ返事して、部屋へと向かった。


 コンコン、とノックをしても、王子の声は聞こえない。

「王子、入りますよ」

 ドアを開けて中に入る。


 その瞬間。


 とてつもなく嫌な匂いが、私を襲った。何かを燃やしたような、焦げ臭いにおい。

 何となく部屋に入りたくなくなって、私は立ち止った扉の脇で立ち止ったまま問いかける。

「王子?何したんですか」

 また、黒魔術に失敗したのかもしれない。

 王子は一度、黒魔術に失敗して椅子を焦がしてしまったことがあるのだ。今回もそれの類かもしれない。


 けれど。


 なんだろう、とても嫌な予感がする。得体のしれない悪寒が、背筋に張り付いて取れない。

「王子」

 再度呼びかけるも、王子からの返事はなく。

 立ち止っている場合じゃないと、部屋の中を見て回る。

 ベッドの中、机の下、箪笥の中。絨毯をめくる、ローテーブルをひっくりかえす、床とベッドの隙間を覗く。


 どこをみても、何をしても、人影すらなかった。


「王子、王子!レント王子!!」

 気が狂ったように王子の名を呼ぶ私の声を聞いたのか、一人の大臣が部屋にかけつけてくれた。

「どうしたんだ」

 と言われたような気もするけど、私に答える余裕はない。ただ、王子のことが心配で、泣くばかりで。

 様子を見にこなかった自分への自己嫌悪に苛まれていた。


 それからのことは、正直よく覚えていない。アンが飛び込んできて、ビシビシ指示を出していたような気がする。

 けれど、アンが何を言っていたのか、結局どういうことに落ち着いたのかは知らない。


 私は、よくわからないまま部屋に寝かされていた。

どーでもいいですが、13日の金曜日ですね!

魔女の集会♪

一度、見てみたいものです。


…あれ、13日の金曜って、ただの不吉な日だったっけ…。


以上、作者の戯言でした。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ