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「物語の幕間〜彼氏・彼女の日常」(セーラー服と雪女 第19巻)  作者: サナダムシオ


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⑰ 未来への介入

「ねえ、ミケーネ。」

 猫撫で声で訊く由理子。

「緊急に、ちょっとしたお願いが、有るんだけど…。」


「どうしたんだい、急に?」

「この船に、武装は装備されているかしら?」

「…まあ、自衛用にカンタンなものなら。」


「ミサイルとか?」

「有るよ。でも1発だけだよ。」

「もしかして、レールガンとか?」

「それも有るね。やはり使えるのは、出力的に一回だけ。」


「良かった。じゃあまず、アレにミサイルを1発お見舞いして欲しいの。」

 由理子が件の隕石を指差す。

「イイのかい?歴史に影響が出るかもよ?」


「イイのよ。それがワタシたちの運命なの。あの"虚ろ船の事件"の時と同じなのよ。いいから早くやって頂戴!」

 突然の由理子の剣幕に、恐れをなしたミケーネは、直ちに目標に照準を合わせ、ミサイルを発射した。


 ミサイルは隕石に見事に命中した…が、まだ破片の一部が地球へ落下しつつあった。

「まだ直径15m以上はあるわね?次はレールガンよ!」

「はいよ!」


 もうアレコレ迷っている時間は無かった。

 ミケーネは直ぐ様、照準を合わせて、残りの隕石を撃った。


 隕石は、更に半分ほどのサイズになったが、まだ地球への落下は続いていた。

「もう、打つ手無しなの?」由理子は半泣きだ。


「打つ手なら…あるさ。」

 ミケーネが意味有り気にニヤリと笑った。

 彼は宇宙船の前面バリアの出力を、最大に調整した。


「えっ、ちょっ、まさか!?」

 イヤな予感がする由理子。

「由理子。キミが言い出した事だ。覚悟を決めろ!」

 ミケーネはそう言うと、超電導エンジンを出力最大にした。


 すると、宇宙船は全速力で、大気圏に突入した隕石を追いかけて行き、ついには追いついて、最後には後ろからソレに追突したのだった。


 船内に大きな衝撃が走った。

 シートベルトを付けて居なかった由理子とミケーネは、船内のアッチやコッチに飛ばされた。

 まあこんな事もあろうかと、ミケーネがそこら中にエアバッグが装備していたので、二人とも大怪我はしなかったはずだが…。

 しかし、それだけでは済まなかった。


 確かに隕石は粉々になったが、落下と衝突の衝撃波は、ロシアのチェリャビンスク市一帯に、大きな損害をもたらしたのだ。


 そこら中の窓ガラスが割れまくり、1000人以上の人々が負傷したのだった。


 それでも、当初の隕石のサイズから考えれば、被害は最小限で済んだと言って良いだろう。

 ソレもコレも、由理子とミケーネという、尊い犠牲のお陰でなのである…合掌。



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