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「物語の幕間〜彼氏・彼女の日常」(セーラー服と雪女 第19巻)  作者: サナダムシオ


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14/21

⑭ 彼女の行きたい場所

「ところで弓子さんは、どこへ行きたいんだい?」

 彼女を助手席にエスコートして、運転席に座ると、隣を見ながら優しく尋ねる雪村。


「そうねえ。ベタにディズニーランドなんてどうかしら?もちろんアメリカ合衆国カリフォルニア州アナハイムのね!」


「おお、THE元祖ディズニーランドか。イイね~。たまには羽根を伸ばしに行こうか。」

 雪村はナニ食わぬ顔で返事をしたが、内心とても驚いていた。


「せっかくタイムマシンを借りたんだから、未来のディズニーに行きましょう。アナタ、みんなのために働き過ぎなんだもの、たまにはそんなムダ遣いも許されるでしょう?」


「…そう…だよねえ?」

 雪村はいよいよ顔色を変えつつあった。

「じゃあ早速参りましょう!」

 久しぶりに休暇らしい事ができそうで、弓子はノリノリだった。


「未来のいつにする?」

「バック・トゥ・ザ・フューチャーPART2の、更に10年後なんてどうかしら?」

 それは奇遇にも、彼の上の妹と同じ発想だった。そして更にそれは…。


「日付は今より少し戻して前乗りの12月23日で。」

「了解!」雪村はそう言うと、早速センターコンソールの操作パネルに以下のように入力した。

 

 2025年 12月23日 火曜日 16時00分

  北緯 38度 81分

 西経 117度 92分


 しかし、平静を装いながらも、彼は内心ドキドキしていたのである。


「3泊ぐらいしたいんだよね?」

「あら、凄いわね。どうして分かったの?」

「…いや、何となくね。それじゃあ、レッツゴー!」

 雪村は時空転位装置のスイッチを入れた。




 …さて、コレは、この時点から数時間前の出来事である。

 雪村は、サン・ジェルマンから赤いビートルを借りるために、名護屋市の久屋大通公園内のテレビ塔にある、亜空間レストランを訪れていた。


 タイミング良く、そこには杉浦鷹志、真田由理子、サン・ジェルマンの三人が揃っており、前述のように、すんなりとビートルを借りる事が出来た。


 しかしながら、雪村が驚いたのは、帰り際にサン・ジェルマンから言われた事だった。

「弓子さんはきっと、2025年のクリスマス前後の時空の、本家ディズニーランドに行きたい、と言いますよ。」


「えっ、そうなんですか?」

「ですから、その時空でのディズニーランドホテルの予約を取っておきましたよ。23、24、25日の3泊です。もちろん、朝食、夕食、アーリーエントリーに、ファストパスもつけてね。あと、この使用限度無制限のクレカも、持って行きなさい。」

 彼はそう言って、雪村に黒いカードを渡した。


「何から何まで、ありがとうございます。でも予想がハズレたら、どうするんです?」

「ハズレるものですか。私を誰だと思ってるんです?」

 サン・ジェルマンはそう言うと、ニヤリと笑った。


「アナタは充分に働いた。ゆっくり二人で休みを満喫して下さい。今回の手廻しは、私からの、ほんのお礼の気持ちですよ。」

 

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