表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「物語の幕間〜彼氏・彼女の日常」(セーラー服と雪女 第19巻)  作者: サナダムシオ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

10/16

⑩ 暗躍する魔女

 その頃、真田雪子は、兼ねてから個人的に気になっていた、歴史探索に出かけようとしていた。


 サン・ジェルマンの名誉のためにも言っておくと、それは正に、彼女の個人的な好奇心…若しくは正義感からの行動だった。

 だから、彼はこの件には、一切関わりが無いのである。


 ただ彼女は、彼からシルバーのワーゲンビートルを借りていた。しかし、後々彼に迷惑をかけないように、その目的を明かさなかった。まあ、借りた理由の一つは、他の並行宇宙での、生身のタイムトラベルは、消耗が激しいからなのだが…。


 今更だが、本来の彼女のフィールドは"照和"の時間軸。雪村の居るこの"昭和"の延長上の世界では、文字通りのヨソ者…エイリアンなのだ。


 もっとも、最近は当たり前のように、すっかりコチラの世界に入り浸っているので、皆忘れがちになっていたのだが…。


 彼女は早速、ビートルのセンターコンソールパネルの時空転位装置に、目的地の座標を入力した。


 西暦1945年5月3日 木曜日 14時00分

 南緯 52度 00分

 西経 57度 00分


 やがて彼女が到着したのは、フォークランド諸島の、南東沖の上空だった。


 ビートルに光学迷彩をかけて、上空を飛ばしていると、眼下には、当時としては些かオーバーテクノロジーな感じの、近代的な砕氷船が見えてきた。


「流石に寒いわね。」

 雪子は、思わず独り言を言ってしまった。


 車内には暖房をかけて、いつものセーラー服の上からトレンチコートを着ているのだが、どうやら防寒対策が足りなかったようだった。


 それもそのはずだった。

 何しろここは、南極大陸まであと僅かの距離の、凍てつく海上なのだから…。


 彼女は下に居る船に向けて、ゆっくりとビートルを近づけて行くと、最後はヒラリと、その甲板に飛び移った。


 あとは、上空にビートルを戻し、光学迷彩をかけたまま、オートパイロットで旋回させたのだった。


 注意深く甲板を歩きながら、目的の人物を探す彼女は、すぐにソレを見つけることが出来た。

 彼は完全に油断し、安心しきっていた。

 何故なら、ここまでの作戦は、完璧に遂行されたからである。


 ただ彼にとって不運だったのは、ここで"超時空の魔女"たる真田雪子に、見つけられてしまったことだった。


 そう、彼こそ誰あろう、歴史上にその悪名を轟かす、アドルフ・ヒトラーその人であった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ