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『国の名の下に』

最終エピソード掲載日:2026/01/05
地方都市で生まれ育った25歳の男・倉橋恒一は、過激派右翼団体に身を置きながら、日本の行く末に強い危機感を抱いて生きている。
暴力団幹部の父、自衛隊幹部だった母という極端に異なる権力構造の家庭で育った彼にとって、暴力と国家は矛盾なく並び立つものだった。

天皇制護持、反共主義、戦後体制への否定。
それらは彼自身の思想であると同時に、幼少期から刷り込まれてきた「正しさ」でもある。
街頭活動、抗議行動、威圧、暴力——彼はそれらを、日本を正しい方向へ導くための必要な手段だと信じて疑わない。

一方で、倉橋の周囲には、彼とはまったく異なる世界で生きる存在がいる。
裏社会に深く根を張る父、制度と規律を信奉する母、そして政治とは無縁に見える地下アイドルの妹。
それぞれの立場が、知らず知らずのうちに倉橋の活動と交差し、軋みを生み始める。

やがて彼は、敵だと教えられてきた存在だけでなく、味方だと思っていた側の内部にも違和感を覚えるようになる。
資金の流れ、言葉の使われ方、利用される「怒り」。
日本のためだと信じてきた行動が、どこか別の目的に接続されているのではないかという疑念が、静かに広がっていく。

この物語は、思想の是非を断じるためのものではない。
一人の青年が「国家」「正義」「暴力」という言葉に飲み込まれていく過程と、
それでもなお日本を思い続けてしまう人間の、極めて現実的な姿を描くサスペンス・ミステリーである。

問いかけられるのはただ一つ。
――国家を信じるとは、何を信じることなのか。
第九章 動員
2026/01/03 11:11
第二十七章 観測される男
2026/01/05 11:08
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