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第一話「リムパック演習」

 ──太平洋、日米両軍のリムパック演習。 ──


 海上自衛隊の空母「いずも」艦上でF3C戦闘機に搭乗したA隊員は離陸許可を待っている時だった。

 キャノピー越し、何とはなしに見やった遠方青空の彼方から、何かの物体が一直線にこちらに近づいてくるのが見えた。

 はっとして、咄嗟にコンソールのレーダー情報を確認するが何の表示もない。

 慌てて管制に問いかけつつ再度視線を戻すと、それはくすんだような灰色の特殊なシェル体で、みるみるこちらに近づいてくる。

 日米両軍のコントロールセンターもこの異変にほぼ同時に気づいて緊急の情報収集に取り掛かかろうとするも、その間もなくそれは演習エリアから1マイルも離れていないであろう海上に吸い込まれるかのように突入したかと思えば、洋上核実験かの如く轟音とともに空を覆うほどの激しい水柱が上がると、さながらこの世の終わりのごとく、今までみたこともないような押し寄せる巨大な津波に、近海にひろがる艦艇は次々と飲み込まれ、「いずも」も水柱の中へ消えたかと思えば船体は転覆へと大きく傾き出すのだった。

 A隊員は、この未曽有の状況の中、自機含めて艦上のありとあらゆるものが甲板の傾きに引きずられて海へと滑り出すと、慌ててキャノピーを開いて時機から飛び降りるしかなかったが、振り向けば艦上の全機はあっというまに海へと流れ落ち、自身も同じく体が滑り落ちる中、死への恐怖に叫びを挙げながらも、最後に奇跡的にフェンスに手がかかり、ぎりぎりで死を免れ、「いずも」も艦載機が海に落ちたことでバランスを取り戻し、転覆を免れたのだった。


 荒めく波はまだ続いているが、はげしい水柱も収まり、A隊員は、フェンスをつかんで死から逃れた興奮冷めやらぬうちに、シェル体が消えた爆心地を見やると、それは海中に没する事なく洋上に留まったまま、シェル体型が中央から開いていき、なにやらゆっくりと展開していくかのようだった。やがてそれは上空方向に巨大さを増し、さながら巨大生物のような姿に変わっていくと同時に、それが落とす影は、A隊員の「いずも」を不気味に覆っていくのだった。


 ──この巨大生物こそ、地球を目指し、太陽系にワープしてきたバルターン星人であった。──

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